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MG「ヌナ。俺、クプスヒョンにはもう良いよって言ったんだ」
『うん。…クプスヤ、ユン、2人は………、どうしたい?』
わたしは95ズではシュアと纏められて年下扱いをされがちだけど、グループ内では年長者。クプスとジョンハンがステージを降りることになるなら、ここでの最年長者はわたしになる。
2人にここは任せてと、胸を張ってそう言えたらどれほどかっこよく良かっただろうか。わたしにはその自信が無くて2人に判断を委ねてしまった。綺麗に直してもらったリップが取れてしまうかもしれないことなんて気にしないように、硬く口を噛んだ。
ズルいことは分かっていた。どちらを選んだって責任は2人に押し付けてしまうようなものだ。
SC「A…、頼んでも良いかな?」
今にも泣き出しそうに、そして悲しそうにそう言って、ジョンハンもそれに頷いてみせた。
『分かった。CARAT達にはわたしから言います』
「みんな、スタンバイして!」
『みんな…、良い?』
WN「大丈夫だよ」
『スンチョラ、ジョンハナ。…ゆっくり休んできて』
2人の手を握って目を合わせる。返事は待たずにステージへ駆け出した。
*
(JH side)
SC「あんなにカッコよかったっけ…」
ステージに駆け上がっていくAの後ろ姿を見てクプスがそう言った言葉に深く頷いた。
JH「シュア!」
JS「ん?」
JH「ごめん」
JS「謝らないでよ。ゆっくり身体、休ませて」
JH「Aのこと、頼む」
JS「もちろん」
Aの背中を追いかけるシュアに声を掛ければ、大きく頷きグッドサインを出した姿を見てフッと身体の力が抜けた。
SC「大丈夫かよ」
JH「ごめん。ちょっと支えて」
SC「うん。……ホテルに帰ろうか、ジョンハナ」
JH「うん。そうしよ」
この場にいるCARAT達と、メンバー達に心の中で謝りながら会場を後にした。
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作者名:柚紀 | 作成日時:2023年11月14日 22時