my princesses２ (ページ42)

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第六十四話ページ42

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コンサートの裏側はいつだって戦争だ。

『スタッフニム！ホシに酸素持ってきてください！』
「はい」
『オンニ！！スングァニにタオル渡してきてあげてくれませんか！？』
JN「すみません、僕の水もうひとつ！」
「あと1分で移動してくださーい！」

全てが入り乱れる。11月だと言えども、平均気温が28℃であるジャカルタは相当暑くて、ステージ裏は熱が籠り体感温度はさらに暑く感じる。メンバー達に対して、スタッフさん達の「水分しっかり取って！」という声が響いていた。

『ユン…？』

着替え場所が隣だったジョンハンがなんだか気になって、そっちの方を向くと立ちあがろうとしたけれど力の入らない様子のジョンハンが目に入った。

『ユン？大丈夫？どこか痛いところある？』
JH「大丈夫。行ける。…ちょっと手だけ引っ張って」
『無理は絶対ダメだよ、ユン』

ジョンハンはその言葉に眉を下げた。

JH「ごめん、A。俺、目眩が酷くて…」
『オッパ、ギリギリまで休める時間は？』
「1分…、あれば良い方かな」
『この後をわたし達が繋いだとしても？』
「それなら3分」
『ユン』

ジョンハンの手を握る。申し訳なさそうな表情でこちらを見ているジョンハンに声を掛けるため口を開こうとすればそれを遮るようにミンギュが「ヌナ」と声を掛けた。

MG「ヌナ、ごめん。…クプスヒョンがヤバいと思う」
『クプスも…？』
MG「も、って？」
『ユンも目眩がするんだって』

そう伝えると、繋がっていたジョンハンの手には力が入りミンギュは悲しそうに口を噛む。

『ミンギュヤ、クプスのこと呼んで来れる？』
MG「うん、待ってて」

ミンギュはひとつ頷いて、駆け出していく。スタッフさんにはあとどのぐらいなら時間があるかと聞かれ40秒と言われた。この騒動を聞きつけたみんなもゾロゾロと集まってきて、ホシやドギョムは「僕たち軽く繋げるなら繋いでおくよ」と言ってくれた。頼りになる弟達だ。シュアは少し心配そうに、わたしの背中を撫でた。

ミンギュに手を引かれてやってきたクプスの手が震えているのが見える。