my princesses２ (ページ39)

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第六十二話ページ39

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始まったワールドツアー。想像を絶するものだった。わたしが戻って完全体で迎えた大阪公演。そして、台風で1日飛んだものの、無事に迎えた愛知公演、横浜公演と続き千葉の公演ではディノが腸炎でお休み、ウォヌも体調不良で途中退席した。

タイトなスケジュールで動いていたこともあり、疲労感が残るままの公演。間に入る別のスケジュールなど、みんなの疲労感は募る一方で。誰が悪いわけでもない。ただわたしも精神的な負担がこないだまであってお休みさせてもらっていた分、その不調がみんなに伝播していたらどうしようなんて。普通に考えたらあり得もしないことを考えてしまう。

DK「ヌナ、大丈夫？」
『うん。ドギョミは？喉の調子とか…』
DK「大丈夫だよ。…ヌナの所為じゃないからね」

ドギョムはどこまで分かっているのか。小さく微笑み頷いてみせれば、軽くハグをされた。

ジャカルタでの公演を控えた数日前。95ズのメンバーだけ呼び出された。

JS「スンチョリ…、居ないね」
『うん…』

少し前から、スンチョルも体調が良くないことはメンバーの誰もが気付いていた。同い年であるわたし達は、特に。そんな中呼び出されたから、なんだか嫌な予感がして。そういう時に限って嫌な予感は的中する。

「エスクプスは体調が優れないから、明後日のサイン会を休むことになった。ジャカルタ公演は出るつもりだ。3人とも…、頼んだぞ」

簡単に頷いてみせたけど、会議室を出て見事に3人とも肩を落とした。

JS「スンチョラ、最近しんどそうだったもんね」
JH「うん。でも仕方ない。しんどい時は休まないと。崩れたら元も子もないし」
『………弟達とシュリイに心配かけないように、しないとね』
JH「Aヤ」
『ん？』
JH「頑張りすぎないで良いからね」
『え…？』
JS「あんまり気負いすぎたらAもしんどくなっちゃうよ。僕たちだっているし。…ね？」
JH「そうそう」
『そう、だね。分かった、ありがとう』

背中を撫でたジョンハンとジョシュアの手が少し震えていて、2人も心配だし不安なことが伝わる。それでも2人はこうして言ってくれた。

*

その後コンサート練習前に、他のメンバー達にもそれは伝えられた。練習が終わってそれぞれ宿舎に戻ろうとすれば、カトクが届く。

JH「スンチョリだ。“俺の部屋に来て欲しい“…、行こうか」
JS「うん。Aも」
『もちろん』

頷いて、マネージャーオッパにスンチョルに会いに行くことを伝えて車を走らせてもらった。