my princesses２ (ページ30)

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第五十五話ページ30

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(WN side)

ソウルでのコンサートの練習のため、事務所にやってきた。事務所に来てすぐ練習室ではなく、会議室へ集まるよう言われた。

殆どのメンバーが揃っている中、会議室の扉を開けるとそこにはAヌナとシューリンが座っている。

SG「ヌナ〜！」

スングァンが走っていってAに抱き付くから、そんな様子を見ながらみんなもクスクスと笑っていた。

「全員揃った？」

イムさんが入ってきて、みんなそれぞれ適当に席に着いた。Aの隣にイムさんは腰を下ろし、肩を撫でた。

「自分で言う？」
『はい。…みんな、あのね』

みんなに緊張感が走る。俺自身も手を握った。ギュッと握る手に爪が食い込む。痛みもあるけど、そんなことよりもその後に続くAの言葉の方が不安だった。

隣に座っているジョンハンを見れば、俺たちの不安とは裏腹に涼しい顔をしていて、シューリンもニコニコと微笑んでいる。

『前の事務所のこともあるけど、自分は追い出されたら居場所がないと思ってた。それに今回のこともあってみんなには迷惑をかけたし、多分この先も迷惑をかけちゃうことはたくさんあると思う。だけど…、わたしは、これからも…、SEVENTEENで居たい』

その言葉を聞いてエスクプスとジョシュアが立ち上がる。ガタンと椅子が大きな音を立てて倒れる。それからホシとウジの肩が震えているのが分かって、見れば泣いていた。

『わたし、戻ってくるね』

ひとつ涙を落としながら、微笑むヌナの姿を見て俺は小さくガッツポーズをする。スングァンやドギョム、ディノも泣いていたけどどこか嬉しそうだった。

SC「A…！」

エスクプスとジョシュアが同じタイミングでAに抱きつきにいく。

SC「おかえり」
JS「Aヤ、おかえり…！」
『ただいま』

Aがポロポロと涙を流すのを見るのは活動を休止すると言ったあの時、それから、怪我をした時。でも今回は嬉し泣きだ。

WN「ジョンハナ、知ってたの？」
JH「うん」

隣のジョンハンに声を掛ければ、嬉しそうに微笑み頷く。ひと通り3人が抱きしめあった後、Aはホシとウジの方に歩いてきた。

『ジフナ、スニョア』

ヌナが手を広げればホシも、あのウジですらも勢いよく抱きつきにいった。それに続くように後ろからスングァン達も抱きつきにいって、それを包むように1番後ろからシューリンが抱きしめていた。

SC「ハハッ、ソリも？」
SR「いいじゃん〜」
『みんな』
HS「うん」
『待っててくれて、ありがとう』