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(JH side)
SG「ヒョン、いつまで拗ねてるの?」
8月末に行われるソウルコンサートに向けてボーカルチームでの練習が始まった。残念ながら、ここにAの姿はない。こないだ宇宙工場で戻ろうか、と言っていた話はなんだったんだと思ったのは練習初日の話。
JH「拗ねてない」
こないだ帰った日にあまりにも態度の悪い僕にスングァンが何かあったの?と聞くから。簡単に、簡潔に、「Aと喧嘩した」とだけ言えばスングァンは少し呆れていた。
SG「素直じゃないなぁ」
JH「ヒョンほど素直な人間居ないからね?」
SG「なに言ってんの…?」
変な表情でこちらを見ているスングァンを睨むように見れば「わぁ、怖〜」なんていそいそと逃げていく。
WZ「なに、ヒョン。まだ怒ってんの?」
JH「だから怒ってないって」
今度は全てを見ていたウジが顔を覗き込んで、フフッと笑った。
WZ「あー、待ってんだ」
JH「は?何を?」
WZ「ジョンハニヒョン」
JH「なに?」
WZ「サプライズ。あるよ」
練習室の扉を顎で指し、そちらに目線を移せば元気にドギョムが入って来る。
JH「あれがサプライズ…?」
WZ「いや、その後ろ」
JH「後ろ?…………マジ?」
そんな僕の様子を見てケラケラとウジは笑う。
WZ「出られるかどうかは分からないけど、一緒に今日から練習再開するってさ」
ドギョムに隠れて見えなかった。『アンニョン』と入ってきたのは、Aだ。
かれこれ1週間、いや、2週間は会ってなかったはず。そもそも休んでいたAに会うことも他のメンバーと比べると会う機会も少ないんだけど。
『……ユン。…久しぶり』
他のメンバーやスタッフさん、先生に挨拶をしたあとこっちにやって来た。
JH「う、ん。久しぶり…」
『…今日、終わったらちょっとだけ、話出来る?』
Aとは目が合わなかったけれど、小さくひとつ、うん、と頷いてみせれば同じようにAも頷いてみせた。
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作者名:柚紀 | 作成日時:2023年11月14日 22時