第五十話 ページ23
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ウジから「レコーディングが全て終わって、ヌナの作った曲が完成した」と言われた。その日のうちに宇宙工場へ出向けば、ウジは手をヒラヒラと振ってわたしを出迎える。
『曲聴きに来た』
WZ「うん。そうだろうと思ってた」
『さすがウジヤ』
ウジは簡単にパソコンを操作して、曲を流した。やっぱりレコーディングはウジに任せて良かった。わたしの理想以上の曲になっているから。
『…なにこれ、最高じゃん』
WZ「なんだよ、ヌナが作ったんだろ」
ウジはケラケラと笑いながらそう言って、でも本当にそうだと思ったから。
WZ「俺もこの曲好きだよ。ヌナらしさもあるし」
多くのことをウジは語らず、それだけを言う。フッと微笑んでみせればウジも笑っていた。
『ねぇ、ジフナ』
WZ「うん」
『あのね、わたしさ…。Lightがわたしだってみんなに言おうかと思って』
そう言うと目を大きく見開き、驚いたようにこちらを見て「マジで言ってる!?」と口も大きく開けていた。
『うーん、どうしようって気持ちはあったんだけど』
WZ「俺は賛成するけどね」
『ほんとに?』
WZ「いや、ずっと言ってたじゃん。ヌナの作った曲なんだからヌナの名前出したらいいのにって」
『確かに言われてたけど…』
WZ「俺とボムジュヒョンの方が多く作ってるから言わないって頑なに言ってたから無理強いさせるもんじゃないと思ってたし」
ひとつ頷いてみせれば、ウジも頷いて。「俺は嬉しいよ」とウジは続ける。
WZ「でもいつのタイミングで言うわけ?」
『まだ検討中だけど、ひとつ候補を挙げるとしたら…。次のカムバックショーケース』
WZ「は!?なに?ヌナ帰ってきてくれんの?…ちょっと待って、俺の頭が追いついてない」
『いや、まだ決めてないから!!候補、ってだけで』
WZ「あー」
『でも、そういう話も事務所の人と話してるんだよね。次のカムバには参加したい気持ちがわたしもあるし。だから…、スニョイとかに言ったら荒れそうだからまだ言えないけど。戻るかどうかも考え中で…』
ドサっと何かが落ちる音がして、振り向くとそこにはジョンハンが立っていた。
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作者名:柚紀 | 作成日時:2023年11月14日 22時