my princesses２ (ページ11)

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第四十四話ページ11

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話を聞きつけ、メンバーとスタッフさん、それからマネージャーオッパ達もやってきた。心配しているメンバー達に大丈夫だと伝えて、マネージャーオッパの運転する車で、イムさんといっしょに病院に来た。

あの時はただ他人事のような感覚だったのに、自覚してからはどんどんと強くなる痛みを感じて、大変なことがあったのだとやっと自覚した。

振り上げられた刃物を見て咄嗟に顔を隠したせいで、手の甲を3針縫うことになったものの幸いにも傷は浅く、数日後には大丈夫だろうと言われた。ただ傷は残ってしまうかも、とも。アイドルである以上、顔でなくて良かったと安堵した。

大袈裟に撒かれた右手の包帯を見て溜め息を吐いた。というかわたし右手が利き手だし。そこだよね、心配なのは。なんて呑気な考えすら浮かぶ自分に苦笑した。

「今回ばかりは見過ごせないし、警察にも入ってもらってそのまま…」

イムさんは彼女が今まで数々のことをしてきたサセンであることは勿論分かっていて、わたしも直接彼女と会ったのは初めてだったけどそうであろうことも何となく分かっていた。

「それと、これ以上はメンバーを誤魔化すのも難しいよ」
『分かってます…、ちゃんと話さなきゃ』

わたしが病院に来る前、またメンバーのことを泣かせてしまった。活動を休止すると伝えたときのように、泣いているメンバーがいて。わたしのせいでみんなの大切な時期に不安にさせてしまっていること、それから、迷惑をかけてしまっていることが申し訳なかった。

『イムさん、みんな事務所に居ますよね？』
「うん。打ち合わせしてるよ」
『じゃあ、このまま事務所に連れて行って欲しいです。そこで、…みんなに話します』

イムさんは頷いて、「じゃあ、行こうか」と待合室の椅子から立ち上がった。