Who am I ？ 14 (ページ26)

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(WZ side)

いつだってそうだ。肝心なことは言わず、自分の中で留めようとする。自分だけで解決しようとするんだ。

WZ「パボ、何回でも言ってやる。パボ〜」
『そんなんさ、出たらわたしが1位になるのなんて…、いや、1位は無理でも、デビュー組に入れないわけないじゃん？』
WZ「すげぇ自信だな」
『当たり前だよ。だってわたしのファンだけじゃない、Carat全体が応援してくれたらさ？オッパ達のファンの人たちって凄いんだから』
WZ「それはそうだけど」
『だから断ったの。出来レースにもなるし、嫌だってね。ただ、プロデューサーが今回も代表がやるらしくて』
WZ「あぁ…」

縦社会でもあるこの業界は上の言うことに対する力は強い。もっと言えば、俺たちがどれだけ稼ごうが、どれだけ地位や名誉のある立場だとしても、上の人がYESと言えばそれが通ってしまうこともあり得るのだ。

『もし、デビュー組に入っちゃったらだよ？』
WZ「うん」
『2年間、SEVENTEENの活動できないんだって』
WZ「はぁ！！？」

過去1番と言っても過言ではないぐらいの大きな声に、キーはクスクスと笑う。いや、全然笑えないんですけど、こっちは。

『最初はどうするか1週間後に決めてって言われて、1週間後に返事をしに行ったらこっちがその話をする前にその話をされて。だから余計に断ってきた。活動できないなら無理って。それならマスターか楽曲提供なら喜んでしますよって言ったらさ、どっちも断られたんだよね。酷くない？そっちが言ってきたくせにー！って思って』
WZ「え、じゃあ、オーディションは受けない…？」
『うん』
WZ「あー、チンチャ…」
『パボヤ？』
WZ「パボ」

もう今日何回目か分からないその言葉を吐いて、ハァ、と溜め息を吐き出す。大体そんな大きな話、いくら断ったからと言っても何で事後報告なんだよ。

WZ「そういう大事なことはもっと早く言えよな…」
『アハハ！ごめん、ごめん。でも聞いた時から断るって決めてたし、みんなに言うほどでもないかなぁって』
WZ「俺らは、Aの全部を知りたいと思ってんだぞ」
『わぁ、ジフニオッパ…！感動しました…！』

キーは冗談まじりに笑いながらそう言うけど、俺の言ったそれは本心で。多分これは俺だけじゃなくメンバー全員そうだと思う。

これは後でエスクプスに伝えておこう。会社もキーも、後でみっちり怒られるかもしれないけどな。