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(DK side)
そのままギュッと僕の身体に顔も押し付けて、行き場を失っていた手は頭を撫でて、それを返すようにギュッと抱きしめ返す。
『わたし、自分が思っている以上に……ソクミニのこと、好きみたい。オッパにも言われた…』
消えちゃうぐらい小さな声でそう言う。僕よりも20センチも小さいキーは僕が抱きしめただけですっぽりと腕の中に収まってしまう。
DK「僕も、Aが思っている以上にAのことが好きだよ。誰に何を言われても、僕が好きなのはAだけだし。僕はずっと、昔から、Aのことが1番好きだよ」
小さく鼻を啜る音が聞こえて、そっと顔を覗き込むようにしゃがむと小さい子供のようにポロポロと泣き出してしまった。『ごめんね』とキーは言うけど、なぜだろう。嬉しくなってしまうのは。
キーが愛情表現をしてくれたから?嫉妬してくれたから?よく分からないけど、とにかくキーのことが好きで仕方ないということだけは確かだ。
キーはその場にしゃがみ込むと『泣きたかったんじゃないんだけど』と言いながら、顔を隠す。
DK「泣かないで。ほら、可愛い顔、見せて」
『ヤダ。もう寝るから、おやすみ』
DK「一緒に寝る?」
『寝ません!』
DK「えー!なんで!昨日会えなかった分のエネルギーチャージでしょ、今日は。あ、日付変わってるから2日分だ」
『しません!』
DK「拒否権無いって知ってた?」
どんなに暴れたってキーが僕に勝つことが出来ないのは当たり前で。キーを抱き抱えれば、そのまま僕の部屋に半ば閉じ込めてしまうかのように連れ帰る。
『ヤダって言った』
DK「キーのヤダは、良いよのサインだよ」
『絶対違うからね!?』
DK「フフッ、もっかい言うけど。拒否権は無いんだってば」
ね?だから今からは、もう。僕に降参してください。
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作者名:柚紀 | 作成日時:2022年12月26日 11時