Who am I ？ 14 (ページ20)

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(JS side)

中に入って話そうかと誘ってみたけれど、首を横に振る。『ちょっとだけ…、オッパ以外の人には聞かれたくない、かも』とまた眉を下げて小さく息を吐き出した。

JS「じゃあ、ココで。寒くなったらすぐに言うこと」
『うん。分かった』
JS「うん」
『………オッパ、』

キーはただ真っ直ぐこのベランダから見えるキラキラと光る街に目を向けたまま、続ける。

『…オッパから見て、わたしとドギョムってどう見える？』
JS「どう？」
『友達…、同僚、家族、………恋人、とか』
JS「お似合いだと思う。嘘無しに」

僕のその言葉に、小さく笑って『ありがと』と言いながらも、キーはどこか悲しそうだ。

『世間もそう言ってくれる人が多いの。最近サイン会でもみんな、自分のことのように喜んでくれる人が多くて。もちろん、そうじゃない人がいるのも分かってる。…でもね、気にしないようにしてたんだ、ずっと』
JS「気にする必要ないよ」
『こんなこと、言っちゃいけないかもしれないけれど。世間の声はさ、正直…、見なければ入ってこないじゃん？』
JS「そう、だね」
『でも、やっぱり直接言われるのは………、キツイよね』

目が合ったキーは、苦笑いをするように笑って、それでいて今すぐにでも泣き出してしまいそうだった。僕が口を開こうとするのを塞ぐように、そのままキーは続ける。

『こないだね、ドギョミが新人アイドルの子に告白されてたんだ。その時はさ、わたしも大人気なく、愛の重さは口では測れないよ、とか言っちゃって。女の子を牽制するようなことをしちゃったんだけど』

キーは『わたし、ドギョミのこと…自分が思ってるよりも好きみたい』と呆れたように笑う。

JS「そうだよ。キーが思っている以上にドギョミのことが好きだし、ドギョミもキーが思っている以上に好きだと思うよ」
『アハハ、そうだね。…だからかな。余計にショックだったんだ』
JS「うん…」

頭を撫でようとした手は空を切る。この役は、今、僕じゃないから。

『昨日、バラエティーのスケジュールがあったでしょ。そこでいろんな人に挨拶をさせてもらったんだけど、…共演者にあの女優さんがいて』

キーが名前を出したのは、最近話題の女優さん。僕たちの何人かともバラエティーで共演したこともある。もちろんドギョムとも共演経験はあったはずだ。