Who am I ? (ページ31)

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(2014年)

初めてのコンサート。胸が高鳴って鼓動が速くなっているのが分かる。こんな感情、いつぶりだろう。きっとオーディションの時に感じたあの気持ちに似ている気がする。

SC「この14人で魅せる最初のステージ。お前ら、力も想いも全部ここに残す勢いで行くぞ！1,2,3!」
「「ファイティン!!!!!!!」」

人前で歌って踊るのは初めてだ。ドキドキとした気持ちと、不安な気持ちが入り乱れてなんとも言えない気持ちになる。「大丈夫。頑張ってきたでしょ？」と背中をさすってくれたのはジュンだった。

SC「行くぞ」

スンチョルは、豪快に頭を撫でたあと、先陣を切ってステージに出て行った。後を追うようにステージに出ると、耳に直接届く黄色い声。凄い。わたし、今ちゃんとアイドルをやっている気がする。練習生として、練習室でレッスンを受けているときには気付かなかった。いや、実感が無かった。それが今、たくさんのファンに見守られて、ステージに立っている。

SC「それでは挨拶。せーの」
「「LIKE SEVENTEEN!! アニョハセヨ！SEVENTEEN です!」」

数曲歌いオープニングステージを披露して、挨拶。客席からはメンバーの名前を呼ぶ声が聞こえた。そして、聴こえてくるAという声。踊っている時は余裕がなくて見られなかったけど、客席にはわたしの名前が書かれたボードを持っている人もいる。しかも有難いことに女の子が多く、さらに嬉しい気持ちになった。ひとりずつの自己紹介。挨拶をして頭を下げるとともにさらにファンからの声は大きくなる。「今日もカッコいい」や「カワイイ」、「大好き」など掛け声は様々だ。

『こんにちは！97즈 누나(97ズのお姉ちゃん) Aです。最高のパフォーマンスをお届けします！よろしくお願いします』

挨拶をして頭を下げると、一瞬。一瞬だけその場の時が止まったような静寂が流れた。そして、拍手が聞こえ、女の子たちの「せーの」という声がした。

「「A、ファイティン！サランへ！！」」

顔を上げると手が痛くならないか心配になるほど、大きく拍手をしてくれるわたしの名前のボードを持った女の子2人。その子たちの雰囲気に合わせて、チラホラと拍手の数が増えていく。勿論、中には拍手をしなければ、こちらを見ようとしない人だっている。それでも数人、たった数人でも受け入れてもらえたことが嬉しかった。