Who am I ? (ページ18)

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10分ぐらいは待っていたのだろうか。ミンハオと会話をしていると待っている時間なんて気にはならなかった。

「じゃあ、案内するね」

そう言われて着いた先は一度YouTubeで見た“SEVENTEEN TV“が撮られていたうちの事務所でいちばん大きな練習室。「集合！」わたしたちが合流すると聞いていたのか否か。メンバーの1人がそう掛け声を掛けると全員が横一列に並ぶ。

「「LIKE SEVENTEEN!! アニョハセヨ！ SEVENTEENです！」」

きっちりと揃えられた挨拶に、思わず息を呑んだ。練習はひとりでしていても、会社の廊下で他の練習生達とすれ違うことはあった。その度に思う、デビューが近い人たちのオーラは凄い。練習生なのに。同じ練習生なのに。横一列に並んだ男の子達はみんな、キラキラと顔が輝いていた。

SG「チャニヤ、女の子みたいな子が居ない？」
DN「ヒョン、多分だけど女の子ですよ」
SG「チンチャ！？」
WZ「というか、本当に女子なら、女子がここに入ることになるんだぞ。変だと思わないのか？」
SG・DN「「確かに…」」
MG「俺は賛成だけどね。あの子、可愛くない？」
DN「理由は言わない方がいいと思いますよ、ミンギュヒョン」

コソコソと喋っていたメンバーのそんな会話はわたしの耳には届いていない。「次の12日から、参加する2人だ。自己紹介して」そう言われて横を見ると、緊張しているのかなかなか挨拶にまで至ることができないミンハオの姿が見えて、ギュッと自分の手を握る。

『初めまして。12日からSEVENTEEN候補生としていっしょに練習することになりました。わたしは喜瀬 Aと言います。よろしくお願いします』

うちの事務所には日本人メンバーは今居ないとスタッフさんから聞いた。聞き馴染みのない苗字に、メンバーはさっきのミンハオ同様首を傾げる。物凄く緊張しているのだろう。そんなことに気付いていない様子のミンハオも、わたしに続いて自己紹介をしていた。