Who am I ? (ページ14)

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オーディション内容はまず自己紹介をして、歌とダンス、そしてカメラテストがあって最後に面接だった。結果は追って連絡します、とのことだけど。半年もあったのだから何か準備出来たのではないかと思うけど、唯一準備出来たのは簡単な韓国語での挨拶ぐらいだったし、正直なところ、なにを話したかなにをしたのかあまり覚えてない。家に帰宅するまでの記憶も曖昧だ。歌だってダンスだって、習ったことはないし、やったことはない。だから上手くできていたのかどうかすら怪しい。

特にカメラテスト。あんな大きなカメラで写真を撮ったのは初めてで。学校の卒業アルバムの撮影だってあそこまで大きく無かったと思う。

家に帰っても尚、心ここに在らずなわたしを見兼ねてか、お兄ちゃんはきっとわたしがうまく出来ずに落ち込んでいるんだと思ったのだろう。自分で沢山買っていたお菓子をここぞとばかりに沢山くれたし、お父さんもお母さんもずっとオーディションの話題が出されることはなかった。めちゃくちゃ気遣われてるやん。

そしてオーディションから2週間。9月になった。相変わらずオーディション結果の通知は無くて、長くて短かった、そして濃い内容だった夏休みも終わって学生生活がまた始まる。

そんなある日、家に帰るとポストの中に大きな封筒が入っており、しかもわたし宛。心当たりが無く、中を開けてみるとファイルが入っていて大きくPLEDISエンターテイメントと書かれている。

「ただいま」
『お兄ちゃん…、どうしよ…』
「どうしたん？」
『わたし、受かった………』

これがわたしのアイドル人生の始まりとなった。