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あと少しで、彼が来る時間になる。
「姉ちゃん」
「……何?」
「帰り遅くてもいいからね」
「スニョンあんた本当に、いい加減にしないとそろそろ怒るよ?」
「姉ちゃん分かってないなー、誰よりも二人のこと応援してるんだよ?俺」
「……楽しんでるだけでしょ?」
「それも無いって言ったら嘘になるけど、応援はほんとにしてるよ。 ……姉ちゃんには早く
……弟の言葉ながらも、朝から少しだけ感動した。
「……ありがとうスニョ」
「だから帰り遅くたって朝帰りでもいいし、連絡くれれば俺どっか行って一日中家空けとくよ。 ……あ、先輩に合鍵渡そうか?」
「私の感動を返せ」
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スニョンとどうしようもない話をしてると、インターホンが鳴った。
途端に緊張で早くなる鼓動。
「んー、はいよー。 待ってて先輩。 ……姉ちゃん? 先輩来たよ?」
「……うん。 行ってくるね」
「ん、気をつけてなー」
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ゆっくりとドアを開けると、家の前に彼が居る。
普段とはまた違った格好で、だけど今日もかっこよくて。
胸が高鳴る。
「あ、おはよ……う、」
ドアの音で気付いたのか、顔を上げた彼と目が合ったのにすぐ視線を逸らされた。
「お、おはようございます……?」
ふと思い出すのは今朝のスニョンの言葉。
『先輩の事だから、姉ちゃん一目見てすぐ視線逸らすよ。 姉ちゃん、今の格好でも十分可愛い "方" だから』
……まさかね、そんなこと。
「やっぱ目逸らした、ね?言ったでしょ姉ちゃん。 先輩なら一目見て目逸らすって」
「……スニョン?!」
後ろからの声に驚き振り向くと、私たちのやり取りを見てたのかスニョンが居た。
私よりも先にドアから出たスニョンは彼の元へ走る。
「ねぇ先輩、はっきり言って今日の姉ちゃん可愛いっしょ」
彼の肩に手を回して話し込むスニョン。
小声で話してるつもりなのか、スニョンの言葉は全て丸聞こえ……。
そんなにスニョンに何度も頷く彼を見て、徐々に鼓動が速くなる。
「……さーて、俺はそろそろ消えないと。 いつまでも邪魔しちゃ悪いし、姉ちゃん行ってらっしゃい。 さっきも言ったけど必要なら合鍵」
「あー! 早く行きましょ!!」
……この弟、油断も隙もない。
スニョンの言葉を遮るように、彼の手を取り走り出す。
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tyai - 本当にいつも素敵なお話をありがとうございました!ずっとだいすきです💓 (2023年4月2日 14時) (レス) id: 4eebb26101 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とにかく大好きで何回も読み直してます… すんちsideの話はもちろんですが、じすはんに冷やかされて嫉妬して拗ねる話がみたいです笑 (2023年3月30日 14時) (レス) id: 7eba4932cc (このIDを非表示/違反報告)
yuikuma965(プロフ) - すごくキュンキュンしました!私もこんなふうに追いかけられたい…笑短編集、嫉妬とかみてみたいです(´∀`) (2023年3月30日 2時) (レス) @page46 id: 1a04ea6328 (このIDを非表示/違反報告)
くす(プロフ) - お疲れ様でした(>_<)続編も楽しみすぎて、夜も寝られません、、、ご無理のない程度に更新楽しみにしてます!!!! (2023年3月30日 0時) (レス) @page46 id: 1558d9da93 (このIDを非表示/違反報告)
diva05(プロフ) - このお話すごい好きです!恋人になった後の2人の関係性や、そうなってからの夜のお話も見てみたいです。 (2023年3月29日 19時) (レス) @page46 id: d2c25335f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIE | 作成日時:2023年3月13日 1時