17輪目 ページ17
私はだんだんとサバナクロー寮での生活に慣れ始めた。
家が王族だと知ってか、ラギーがレオナのついでだと言って何かと世話を焼いてくれる。
だが、世話焼きのラギーのことだ。途中入学の私のことを気遣ってのことだろう。優しい。
ラギーはハイエナの獣人なんだそうだ。本当にこの寮には獣人が多いが、オセロットの獣人は私だけ見たいだ。猫科なら一番近くにいるけど。
そうそう、私は二年A組に配属されるらしい。ラギーにそう伝えたら変な顔された。彼はB組らしいけどなんでかな？？
他にもサバナ寮生はいると言ってもやはりラギーがいないのはなんだか心細い。
ところで今、レオナたち寮長は入学式の準備に追われ(本当に追われているのはラギーと、なんだかんだレオナと一緒にいる私)て、なかなか忙しく楽しい日々を送っている。
賢者の島に来てまだ数週間だが、もう一年を過ぎたかのような充実感だ。
新入生も入ってくるので先輩として、身が引き締まる思いである。
それと最後に、部活にはバスケ部に入ることにした。
理由は特にないが、通りすがりに出会った髪の長い生徒がくれた蜂蜜漬けレモンに釣られた。
「常識ある奴が欲しくてね...」こういうと彼は少し自嘲気味に笑った。
同じ学年らしく、私がA組だと伝えると、少し考える様子で蜂蜜レモンを渡してきた。
彼が仕えている主人がA組らしい。何かの罠かとも思ったが、蜂蜜レモンに罪はないのでそのまま入部を決めてみた。
私はなんとか元気にやってます。母さん、父さん、心配しないでね。
A・コロナ
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作者名：kum | 作成日時：2021年2月7日 22時
