年下のくせに。 (ページ17)

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田中

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田中「 Aちゃん体育祭なにでるの？」

行き先はもちろん同じなので、必然的に一緒に行くことになる。

『やだよ。絶対馬鹿にされるもん。』

田中「そんなことしないから！(笑) 」

「俺そんな人に見えてんの？」って笑ってますけど、そんな人にしか見えてないよ。

田中「お願い！！絶対笑ったりしないから！」

『 …パン食い競争。』

田中「え？なんて？小さくて聞こえない。」

『パン食い競争！！！』

田中「 …なにそれ、絶対可愛いじゃん。」

ニヤニヤしながらこっちをみてくる田中樹。

ねえこいつ、馬鹿にしてるよね？？？

『 …馬鹿にしてんでしょ。』

田中「え！？いや、まじでしてない！(笑) 」

『樹くんは？なににでるの？』

田中「俺ね～、リレーと借り物競争！」

『ふーん。』

田中「え？聞いといて興味ない感じ？」

『北斗くんとかは？』

田中「あいつも同じ競技出るけど…、」

『え～、いいね。楽しそう。』

話を続けるために一番最初に頭に浮かんだ北斗くんの名前を出してそういうと、

ちらっとこちらを見てくる樹くん。

田中「 …だめだよ。北斗のこと見てちゃあ。」

『え？』

田中「俺のこと、見ててよ。」

「約束ね。」と、恥ずかしそうに鼻先を指で搔きながらこちらを見てくる樹くんはすごくいじらしくて、

胸を高鳴らす以外なかった。

バイト先まであと五分。

『 …気が向いたらね。』