年下のくせに。 (ページ16)

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由佳「どれ出る？」

『パン食い競争一択。』

由佳「食い意地張ってる女子、絶対あんただけだよ。」

体育祭まで残り2か月。

実行委員ももちろんだけど、種目にも出場しなければならない。

注目されるのも、責任を感じるのも嫌なので、私はパン食い競争しか勝たんのだ。

由佳「今年も絶対1位目指す。」

去年、100mで爆走で先輩を抑えて余裕の断トツ1位だった由佳。

京本「俺もパン食いにしよう～。」

『きょも運動できないもんね(笑) 』

髙地「 Aもたいしてできないでしょ(笑) 」

『髙地、ちょっと黙れる？』

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京本「じゃあ、バイト頑張ってね～！」

由佳「田中樹との進展あったら報告よろしくっ！」

進展もくそもないよ。

ねえ、髙地？私に別れの言葉はないの？

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バイト先まで10分と少し。

いつも音楽を聴きながら向かうんだけど、今日は家にイヤホンを忘れてしまった。

くっそう…。

田中「あ、Aちゃん～！」

『 …げ。』

田中「はい、顔と声に出さない～。」

「まじ俺なにもしてないんだけど？(笑) 」と言いながら私のもとに走ってくる樹くん。

なにもしてないんだけどね、そういうことじゃないのよ。

『樹くんのこと考えてるときに現れるから、ストーカーなのかなって。』

田中「後半すげえ心外だけど、俺のこと考えてくれてんの？？」

ニヤニヤしだす樹くん。しくったな、調子乗られるのは避けたいんだけど。

『 …いい意味だとは言ってないけどね。』

ツンデレ美少女みたいなセリフはいちゃった。まずいまずい。

狙ってると思われる？？さすがに？？

田中「まあ、Aちゃんの頭の中に俺がいるなら悪い意味でも全然いいけどね～。」

「俺、今日のバイト頑張れそう！！」そういってキラキラした目を向けてくる。

……犬？？？？てか、バイト被ってんの？？？？

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