年下のくせに。 (ページ1)

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この制服でこの道を歩くのも2年目。

家から駅まで徒歩15分。駅から学校まで徒歩20分。

…なんでこんな遠い高校選んだわけ、私。

そんなことより、

『新学期1日目から遅刻はやばすぎ。』

春休みの狂った生活習慣で見事に寝坊した私。

やばいやばい。

『 …余裕じゃん。』

学校の門をくぐって門にある時計を見てみると予鈴の10分前。

スカート気にせずにガンダした時間返してくんね、まじ。

息を整えてクラス表を確認して下駄箱で靴を履き替え、教室に向かおうとしたとき、

「すみません。1年C組ってどこっすか。」

少し掠れた声をした男の子に声をかけられた。

端正な顔立ち。ピンクの髪。少し気崩した制服。

顔見たことないから新入生かな。

どこかだるそうな、砕けた敬語は不思議と嫌味を感じさせない。

『この階段4階まで登ったら一年生のフロアだよ。』

「うげえ、4階とか寝坊したら終わりじゃん。」

『本気出したら30秒で着くよ。』

「先輩、もしかして常習犯っすね(笑) 」

ふはっと柔らかく笑って揺れた髪。

冷静に1年生でピンク髪はいかちいな。

「じゃあ、予鈴なったんで30秒切れるように頑張るっす。」

そう言って2段飛ばしで階段を駆け上がっていく。

ふわっと香水が香る。

…モテるな、あれは。

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