21. ページ22
「っ、ぅ…」
dt「琳、大丈夫。大丈夫。」
iw「焦んなくていいからゆっくり息しろ。な？」
動悸が治まらないのか胸を抑えて息を詰まらせる。
その姿が痛々しくて小さな体をぎゅっと抱き寄せた。
mm「舘さん！薬！」
dt「ありがとう。照、琳の顔こっちに向けてくれる？」
iw「ん。琳、口開けて。」
「は、ぁっ」
iw「上手。よく出来ました。」
ゴクリと琳の喉が動いたのを確認してソファにゆっくりと寝かせた。
dt「すぐ苦しいの無くなるからね。大丈夫だよ。」
「りょー、た……」
dt「寝れそうなら寝ちゃいな。」
まだ少し苦しそうだけど時期に薬も効いてくるだろう。
そう理解した瞬間、無意識に強ばっていた体から少し力が抜けるのが分かった。
iw「これで今月は3回目か…」
dt「まずいね。発作の回数が増えてきてる。」
iw「今のところ薬の効き目が薄くなってる様子はないけどこれ以上酷くなれば、」
dt「照、落ち着いて。」
iw「え？いや、俺は落ち着いてる。大丈夫。」
dt「手、跡つくから。爪くい込んでるよ。」
舘さんに指摘されて思いがけなく力がこもっていた手を広げ見つめ直す。
dt「俺らがいくら焦ったって琳の状態が良くなるわけじゃない。今やるべき事はできるだけ琳の負担や不安を減らすことだ。照がそんな顔してたらダメだろ？」
iw「…そうだな。ありがと、舘さん。」
dt「いつも頼りにしてるよ、リーダー。」
ポン、と俺の肩を叩いて舘さんは席を立つ。
頼りにしてる、か。
少しだけ自信が湧いた気がした。
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作者名：i | 作成日時：2021年9月12日 16時
