記憶＿＿＿ (ページ20)

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kj「…琳くん？」

明け方、目が覚めて飲み物でも取りに行こうかと1階に降りれば閉まっとるはずのベランダに出て外を眺める琳くんの姿が。

なんとなくやけど放っておくわけにいかんと思って声を掛けた。

「あ、こーじ。」

kj「おはようさん。随分早起きやな。」

「星がね、見たいなと思って。」

kj「星？」

確かにこの時間帯はまだまだ日は出えへんから星は見えるけど。

「俺、あそこにいたときは部屋の鉄格子の間から見える星が唯一楽しみだったの。キラキラしててこんなとこに閉じ込められてる俺とは正反対。ほんとに怖いくらい魅入ってた。」

kj「そんなに？」

「うん。でも朝が来れば俺はあいつらの玩具。星が消えて太陽が昇ってくる時間が来て欲しくなくてずーっと夜空に向かって願ってた。「明日はいい日になりますように。」って。」

おかしいよね、なんて琳くんは笑った。

少しだけ琳くんの触れたらあかんとこに触れてしまった感じがして言葉に詰まったけど

kj「全然おかしないよ。むしろ琳くんがそうやって毎日願ってくれたから今こうやって出会えてる。もし琳くんが生きる希望を持ってくれへんかったら俺らに出会うこともなかった。きっとお星さまが叶えてくれたんよ、琳くんの夢。」

「…ふふっ。そーだね。じゃあお星さまにちゃんとありがとう言っとかないと。お星さまありがとう！」

そう言う琳くんの隣で俺は「今日も明日も明後日もいい日になりますように」なんて少し欲張りなお願いをした。