-3 ページ37
・
side青
凄い凄いと子どものようにはしゃぐ大我を見て、一緒に来ることができて本当によかったと思った。
都会ではなかなか見られないからとても貴重な気がして、俺もそんな星空を目に焼き付けるように眺めた。
暫しそれを堪能してふと隣を見ると、上を見たまま目を瞑っている大我。
俺の視線に気づいたのかはわからないけど、目を開けてこっちを向いた大我に俺は問う。
「何してたの?」
「んー? 願い事」
「え、流れ星なんてあったっけ?」
「ないけど!(笑) でも、この星の中のどこかに神様がいるとしたら願っといた方がいいかなって」
「ふふ、そっか。で、何をお願いしたの?」
「えー、それ聞く?」
「うん、聞きたい」
「・・・樹と、ずっとずっと一緒にいれますようにって」
恥ずかしかったのか、目線を遠くの夜景に戻してポツリとそう言った。
可愛くて、嬉しい願い事だなと思わず笑みが零れた。
大我の後ろに回って、優しくその身体を抱き締める。
「大丈夫。絶対叶うよ。何年、何十年先も、側にいるから」
「ふふ、うん。嬉しい。・・・樹、ありがとね」
「ううん。・・・俺、大我に出会えて、メンバーになれて、恋人になれて、ほんとによかった」
「俺も。樹が樹で、よかった」
「・・・大我」
体を離して向き合う。
何?と不思議そうな顔をする大我に、さっき車を下りるときにこっこりポケットに入れておいたそれを差し出した。
そして、目を真っ直ぐ見てはっきり伝える。
「大我。結婚はできないけど・・・俺と、死ぬまで一緒に生きてください」
「っ・・・!」
一気に目に涙を溜めた大我が、俺に勢いよく抱き着いてくる。
離すまいと俺も強く抱き締めた。
涙で鼻声になりながら必死に返事を言おうとしてくれているから、ただ抱き締めて言葉を待つ。
「じゅり・・・俺でよければ・・・お願い、します」
「バカ、大我じゃなきゃダメなの」
「っ・・・俺も、樹じゃなきゃやだ・・・」
「うん、知ってる」
覗き込んだ顔は涙でぐちゃぐちゃで、手で拭ってあげながらそんな顔も愛おしいなと思った。
後ろから大我の首元にさっき差し出したそれをかけてあげる。
「指には付けらんないからさ。これなら肌身離さず付けられるでしょ? 俺もほら、今日ずっと付けてた」
「あ、ほんとだ。・・・ねぇ樹、大好き」
「俺も。愛してるよ、大我」
そしてどちらからともなく重なった唇は、今までで一番甘かった。
Fin.
447人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩佑実(プロフ) - じゅったん狂さん» こんにちは。お待たせしました。先ほどアップさせて頂きました。よろしくお願いします。💙🖤また書きますね☺️ リクエストありがとうございました! (2022年1月21日 19時) (レス) id: ca4215401f (このIDを非表示/違反報告)
じゅったん狂 - 彩佑実さん» ありがとうございます😭 明後日楽しみに待ってますっ!! これからもほくじゅりかいてほしいなぁとか思っちゃったり(((殴 投稿頑張ってくださいねっ! (2022年1月19日 20時) (レス) id: ac82afbd90 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - じゅったん狂さん» 愛読、コメントありがとうございます! リクエストも嬉しいです☺️ リアル設定でしたら他の方から既に頂いているCPなので、明後日アップする予定で準備しています。それでも宜しければ、明後日までお待ち頂けると幸いです。よろしくお願いします😌 (2022年1月19日 9時) (レス) id: ca4215401f (このIDを非表示/違反報告)
じゅったん狂 - 初コメ失礼します!!主様の作品とても大好きです❤︎ 私自身ほくじゅり狂なので🖤×💙くんのお話書いてもらうことはできますか、、、?主様の都合に合わせてできればでいいので!!!!これからもお話楽しく拝見させていただきます! (2022年1月19日 7時) (レス) id: ac82afbd90 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - popti0409さん» こんにちは。お待たせしました。本日アップさせて頂きました! よろしくお願いします☺️ (2022年1月18日 19時) (レス) id: ca4215401f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彩佑実 | 作成日時:2022年1月10日 21時