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side桃
「お茶です。よかったら」
「お気遣いありがとうございます、いただきます」
言葉遣いから所作まで丁寧でしっかりしていて、きっと育ちがいいんだろうなと直感的に思った。
俺が出したお茶を一口飲むと、彼は徐に話始めた。
「俺、博物館とか美術館とかに行くのが好きなんです。この前は大学の推薦入試に失敗して落ち込んでて、適当にいつもは通らない道を歩いてたら偶然ここを見つけて」
「そうだったんですね」
「はい。それで、絵に惹かれて来たはずなのに、気付いたら･･･絵よりもあなたに惹かれてました」
「え･･･」
「え、あ、ごめんなさい、突然。気持ち悪いですよね」
「いや･･･」
一目惚れして彼が俺の絵に集中してくれているのを良いことにずっと盗み見していた俺の方がよっぽど気持ち悪いだろうと、そのとき思った。
お互い気まずくなって目を逸らすと2人の間に流れた沈黙の中、たった今年下の彼に告白されたという事実を漸く理解した。
気まずさに加えて驚きと嬉しさも入り交じって暫く俯いたままでいると、彼が立ち上がる気配がしたから慌てて顔を上げる。
「すみません、今の忘れてください。失礼します」
深く頭を下げながらそう言って逃げるように部屋を出て行こうとするから、咄嗟に彼の腕を掴んだ。
当然彼はひどく驚いた表情で俺を見ている。
「待って。嬉しかった」
「え･･･」
「あのときから君のことで頭がいっぱいで。また会えないかなって、本気で思ってた」
「っ･･･」
「だから、これからも･･･」
待って、と今度は彼が俺を止めた。
彼が言わんとしていることがわからずはてなマークを浮かべていると、掴んでいた腕がやんわりと解かれそのまま手は彼の手によって包み込まれる。
少しゴツゴツしていて、大きくて、男らしい手だった。
黒い瞳が、俺を少し上から見下ろす。
「俺の受験が終わって、高校を卒業したら、そのときにはまた会ってくれますか？ 勝手だってわかってます、でも、勉強もあなたも大事にしたいから。だから･･･」
「わかった、わかったよ。･･･じゃあ、あの木の下はどうかな」
「あの木？」
「君が･･･北斗くんが、特に見入っていた絵の。ここから少し歩いた所に川があるでしょう？ その川沿いの道に1本だけある大きな木の下で、待ってるから」
「･･･何だか一本取られた気分です、ふふ」
「あはは。その頃にはきっと、あの絵みたいな景色が見れるよ」
-3→←Ep.5「Keep on fallin' in love with you」黒×桃
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彩佑実(プロフ) - (かな名前)さん» コメントありがとうございます。パスワードを解読後、スクロールして頂きますと、下の方に◎と○の付いた文章がありそちらが条件となります。ご理解、ご協力頂いた後フォロリクを送って頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。 (2022年6月10日 19時) (
レス) id: ca4215401f (このIDを非表示/違反報告)
(かな名前)(プロフ) - コメント失礼します。Twitterの必読を見たのですが条件ってどこに書いてありますか？ (2022年6月10日 19時) (レス) @page49 id: 937383c613 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - けーた。さん» けーた。さん、初めまして。コメントまで下さりありがとうございます。私も末ズのときの緑くんが好きなので早い段階で書こうと決めていました。楽しんで頂けてとても嬉しいです。不定期となりますが、これからも何卒よろしくお願いします:) (2021年11月30日 22時) (レス) id: 22c3e91f96 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 初めましてで失礼します。緑くんが絡むお話が好きでお邪魔しました。実は他に推しCPがあるのですが赤くんとの時は右側の緑くんすごく好きでして。お話、とても楽しませて頂きました。これからも素敵なお話楽しみにしています✻ (2021年11月30日 21時) (レス) @page8 id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩佑実 | 作成日時：2021年11月27日 23時
