Ep.19「Forbidden」青×桃 ページ42
ノンリアル
・
side桃
「樹ー、来たよ」
放課後、必ず理科準備室を訪ねるのが俺の日課。
1枚パーテーションを挟んで向こう側にいる白衣姿の彼の元に行けば、窓を開けて紫煙を燻らせていた。
「あ、また吸ってる。1年目なんだしバレたらやばいんじゃないの」
「うるさいな、吸わないとやってらんないっての。てか、"先生"な」
「はいはい、樹せんせ」
「はぁ、まあいいや」
吸い終えた先生は携帯灰皿をズボンのポケットにしまい、俺たち生徒が普段使うのと同じ椅子に座った。
昨年、住人と言われていたおじいちゃん先生が退職して今は樹先生しか使っていないここは、職員室にあるような柔らかい椅子などない。
それにしてももっといいのあるよななんて思いながら、俺もその辺に置いてある椅子を引っ張ってきてその横に先生の方を向いて腰を下ろした。
先生は気怠そうに何かのプリントをペラペラと捲り出す。
「あ、そうだ、聞いてよ。今日珍しくお弁当にトマトが入ってなかったんだよね、俺トマト大好きなのに」
「･･･」
「でも慎太郎がくれたの。こーちも北斗も！ ジェシーはトマト無かったからって何故かブロッコリーくれた、ふふ」
「･･･もう終わった？」
「え？」
「話、終わったかって聞いてんの」
「あ、うん」
そう聞いてくる先生の顔はプリントを見たまま。
何だか怒っているように見えるけど、心当たりがない。
「せんせ？ 俺なんか変なこと言った？」
「･･･他の男の話すんな」
「へ。いや、ただの友だちだよ？」
「わかってる。きょもにとって大事な奴らだってのも。けど、俺の前で名前出すの禁止」
「･･･ふふ」
「何笑ってんの」
「いや、束縛？独占欲？が凄いなって思って」
「うるせ」
「いいよ、わかった。ごめんね」
「ったく･･･」
ブツクサ言いながら首元に手が伸びてきて、顔が近づいてくる。
目を瞑って待っていると、運悪くドンドンと部屋のドアが叩かれる音がした。
慌てて目を開けてパーテーションの裏に隠れる。
寸止めを食らって明らかに機嫌が悪い先生が、ドアの方に向かって行った。
「誰、ってお前かよ、ジェシー」
「あ、田中先生ごめんね、大我いる？」
「いねぇけど」
「そっか。それだけ！ じゃあね、HAHA！」
ふぅ、と一息つく。
帰ってきた先生の腕を引っ張ってパーテーション裏に引き込むと、その唇にキスをした。
･･･高校1年目の俺もバレたらやばいかも、なんてね。
Fin.
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彩佑実(プロフ) - (かな名前)さん» コメントありがとうございます。パスワードを解読後、スクロールして頂きますと、下の方に◎と○の付いた文章がありそちらが条件となります。ご理解、ご協力頂いた後フォロリクを送って頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。 (2022年6月10日 19時) (
レス) id: ca4215401f (このIDを非表示/違反報告)
(かな名前)(プロフ) - コメント失礼します。Twitterの必読を見たのですが条件ってどこに書いてありますか？ (2022年6月10日 19時) (レス) @page49 id: 937383c613 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - けーた。さん» けーた。さん、初めまして。コメントまで下さりありがとうございます。私も末ズのときの緑くんが好きなので早い段階で書こうと決めていました。楽しんで頂けてとても嬉しいです。不定期となりますが、これからも何卒よろしくお願いします:) (2021年11月30日 22時) (レス) id: 22c3e91f96 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 初めましてで失礼します。緑くんが絡むお話が好きでお邪魔しました。実は他に推しCPがあるのですが赤くんとの時は右側の緑くんすごく好きでして。お話、とても楽しませて頂きました。これからも素敵なお話楽しみにしています✻ (2021年11月30日 21時) (レス) @page8 id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩佑実 | 作成日時：2021年11月27日 23時
