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story61─喰種の昔話 ページ34

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その喰種達は喰種狩りの2年前に出会ったそうなのだけれど、親子のような関係でね。
1人の喰種が、赤毛の人間に連れられてきたもう1人の喰種を引き取ったんだ。

2人は、最初はそれこそ引き取られた子供の方が警戒していて上手くいかなかった。
でも、大人の方の喰種の包容力って云うのか、半年で2人は打ち明けた。

子供は大人の喰種を恩人として慕い、敬っていたんだ。喰種として生きる道をくれた彼女をね。

ところが、そんな日常を壊す事件があったんだ。何だと思う？

────そうそう、君もよく知ってる喰種狩りさ。正解だよ。

その喰種狩りが終わる頃、子供の喰種は鳩に保護されたんだ。保護なんて生温い言葉だろう？
本当は捕獲さ。鳩で飼ってやろうという政府の思惑だよ。彼女は喰種でもSSレートだからね。

そして子供の喰種は、人間を攻撃しないように、人間が喰種に対して卑劣な行為をした喰種狩り、そしてその前後の記憶を消したんだ。

そして、彼女は政府の駒となった。

何もかも忘れてしまった彼女にとっては、めでたしめでたしで閉められる話だったろう？

ん？大人の方の喰種かい？
……さぁ、どうなったんだろうね。

気になるかい？ふふっでもお終いさ。
もう着いたからね。







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*
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太宰さんが“着いた“と指さす先には何も無い。誰もいない。ただ駅があるだけ。
───真逆



「その顔、見当がついたのかい？……君が思っている通りだよ」

「じゃ、じゃあ……」

「あぁ、行こうか。───東京に」







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