story58─覚悟 ページ31
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「祈織さん!!」
私が一目散に店の中に駆け寄ると、中にいたのは祈織さんと鳩だった。
ただ、それよりも、それよりも衝撃を受けたのは────
「太宰……さん?」
「やぁ、随分久しぶりだね」
私を祈織さんの所へ行かせまいとばかりに、前に立ちはばかる太宰さん。
呆然と立ち尽くす私に、”どうしたんだい?”と微笑むが目が笑っていない。
「だっ……だって……貴方は、ヨコハマに……!」
「A!!」
私がやっとの思いで言葉を紡ぐと、祈織さんの厳しい声が奥から飛んでくる。
白髪の鳩……あれは、真逆
「私と戦っているのはお前も聞いたことがあるだろう!?有馬貴将だ!!そして太宰君、彼はヨコハマの暗部、ポートマフィア幹部だ!」
「ッ!!」
「逃げろ!!A!!」
それだけ云うと、祈織さんは顔を有馬貴将の方に向け、また夢中に戦いだした。
私は、恐る恐る顔を太宰さんの方に向ける。
「……彼女の云う通りだよ、Aちゃん。私がヨコハマの暗部の幹部さ。……逃げるなら今のうちだ」
悲しげな声でそう呟く太宰さん。慈悲なのか、それとも余裕があるからなのか分からない。
今は逃がしてくれるらしい。……でも
「私が大切な人を残して行くと思いで?」
「いいや、行かないね」
諦めたように、太宰さんは笑った。
瞬間、太宰さんの表情から光が消えた。
「祈織さんは早々捕まらないだろう。……君は、大人しく捕まってくれるのかい?」
「……私は、強い。だから捕まらない」
私は太宰さんに襲いかかるのだった。
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うりゅき(プロフ) - 明けましておめでとうございます!モンゴメリちゃんも色々抱えてますからねぇ。いつかは弓月ちゃんとモンゴメリちゃんを絡ませたいです笑 森さんの殺気、どういう反応にするか迷ってるんですよねぇ。今年も私共々この作品をよろしくお願いします! (2019年1月1日 11時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - あと、少し遅れましたが明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 更新お疲れ様です!森さんとの絡みですね〜!敦君は流石です!ルーシーちゃんは、喰種ごときって...泣く... 森さんの殺気どう反応(?)するのか、気になります!次回の更新楽しみにしてます! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
うりゅき(プロフ) - 黒い天使さん» コメントありがとうございます!異能力者VS喰種ですね!私も書きたい衝動に駆られうずうずしてます(笑) (2018年12月28日 18時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 真逆、原作の交差点だとは!トーカちゃんなら羽赫使って自力で脱出しようとするだろうなぁ…って思います(笑)森さんと、どう関わるのか気になります!更新お疲れ様です!次回も待ってます! (2018年12月27日 23時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りうゅき x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sHihamu131/
作成日時:2018年9月30日 20時