story47─私の客人 ページ20
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しばらく談笑していると、祈織さんが珈琲を2杯持ってきてくれた。私?私は水で大丈夫。
すると、運がいいというかなんというか、そのタイミングでお店の扉の鈴がなる。
「……?今日は閉店しているはずではないか?」
「私のお客様です」
不思議に思ったのか、織田作さんがそう云うので私が答える。
「あ!Aさん!!」
「いらっしゃい─────トーカちゃん」
そう、私のお客様というのは霧嶋董香ちゃん。私がここらで通う喫茶処No.2である『あんていく』でバイトをしていて、知り合った。
彼女もまた然り───喰種である。
どうやら『あんていく』の店員はほとんどが喰種だという。店長さんもだそうだ。
早速太宰さんが声をかけた。
「やぁ、素敵なお嬢さんだ!是非私と心中───」
「彼女になんてこと教えているんです?太宰君?食べますよ?」
なんて事をと思っていると、祈織さんが気持ちを代弁してくれた。太宰さんの顔がさーっと青ざめていく。
「……幽羅義さん、貴方が云うと洒落になりませんよ」
「今のは太宰さんが悪いです」
混乱しているトーカちゃんを庇うように、私は太宰さんを軽く睨み云う。
「Aさん、こいつら……」
「トーカちゃんは初めましてでしょう?彼らはヨコハマからよくうちに来ているお客様」
「は、はぁ……」
軽く彼女に太宰さん達を紹介する。
すると、太宰さんがトーカちゃんに興味を持っているのかじーっと見つめている。
……黒い。目に光がこもっていない。
「……何か用かよ」
トーカちゃんが睨みをきかせ、太宰さんにそういうと、太宰さんはふっと顔をほころばせた。
……いや、何か見つけたと云った方が正しい。
「君も───喰種なんだね?」
隣で息を呑む音が聞こえた。
「……だったら何だよ。私を捕まえようってんの?……殺すぞ」
「まぁまぁ、落ち着き給えよ。君を捕まえる気持ちは微塵もないさ!」
まだ警戒しているのか、トーカちゃんと太宰さんの間には不穏な雰囲気が漂っている。
太宰さん瞳の奥がきらりと光った気がした。
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うりゅき(プロフ) - 明けましておめでとうございます!モンゴメリちゃんも色々抱えてますからねぇ。いつかは弓月ちゃんとモンゴメリちゃんを絡ませたいです笑 森さんの殺気、どういう反応にするか迷ってるんですよねぇ。今年も私共々この作品をよろしくお願いします! (2019年1月1日 11時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - あと、少し遅れましたが明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 更新お疲れ様です!森さんとの絡みですね〜!敦君は流石です!ルーシーちゃんは、喰種ごときって...泣く... 森さんの殺気どう反応(?)するのか、気になります!次回の更新楽しみにしてます! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
うりゅき(プロフ) - 黒い天使さん» コメントありがとうございます!異能力者VS喰種ですね!私も書きたい衝動に駆られうずうずしてます(笑) (2018年12月28日 18時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 真逆、原作の交差点だとは!トーカちゃんなら羽赫使って自力で脱出しようとするだろうなぁ…って思います(笑)森さんと、どう関わるのか気になります!更新お疲れ様です!次回も待ってます! (2018年12月27日 23時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りうゅき x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sHihamu131/
作成日時:2018年9月30日 20時