検索『かにう”ぁりずむ』検索結果『横浜の喫茶処＊２店舗目』【文スト】×【東京喰種】

story45─移住先 ページ18

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「……是非、よろしくお願いします」



私は迷いなんてものはなく、深く頭を下げる。
すると、ふわりと誰かに頭を撫でられた。……彼女だった。



「こちらこそ、よろしくね。……あぁ、そういえば名前、云ってなかったわ」

「？そういえば、俺も知らないな」

「私はヨコハマのポートマフィアに名前を教えるほど、やわじゃないです。……まぁでも、何かの縁よ。織田さんには教えて差し上げます」



……ヨコハマ？ポートマフィア？等、知らない単語が出てくる。後で聞いてみよう。



「私の名前は幽羅義(ゆうらぎ)祈織(いのり)。店の名前は私の名前からとってるの。因みに25歳」



祈織さんは、ニッコリと微笑む。25歳なんて年齢に似つかわしい程の笑顔に一瞬嘘なんじゃないかと思ったが、違うらしい。



「俺より年は上だったのか」

「でも大人になれば歳なんてものは関係ないでしょう？」

「立場上の世界だな」

「……二人の会話についていけない」



この時の私は、まだ幼かったのだろう。
少し弱々しく、不貞腐れたようにそう呟いた。



「……織田さん、ちょっと」

「何だ？」

「貴方、大人っぽい子ばかり連れてくるのかと思ってたんです。ほら、例の……太宰君でしたっけ？彼も年齢に似つかわしくない思考の持ち主でしょう？」

「まぁな。……彼奴は、闇を抱えすぎているからな」

「えぇ、そんな気はします。でもあの子……Aちゃんでしたっけ？」

「あぁ。弓月Aだ」

「あの子は……矢張り、まだ幼いのね」

「……あぁ」




なんて会話を2人がしていただなんて、私は知る由もない。何故なら、この数年後、この3人のうち2人が亡くなるからである。








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