推しの推し (ページ49)

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プレゼントページ49

≫髙橋 side

知って、気が付いて、確かめたくて。

訊ねてすんなり答えてくれる…？

いや…警戒心の高い彼女だからきっと教えてくれないかな。

それでもいい、俺は彼女に会いたい。

話をしなきゃ何も進まないから、会って話をしたかった。

あのブログを目にしてから直ぐ、メールをまた送った。

“会えない？”って。

でも返事は待てども来なくって、Aさん忙しいのかなって思った。

動画のアップロードはずっと止まったままだし、SNSも2週間前で更新が止まってる。

直近最後の投稿は、あの日のMobuoと俺と3人写っている写真。

そして彼女らしく謙虚なコメント。

“貴重な時間を有難う御座います、精進します。また、機会があれば…”、と。

…そうだよ、“またね”って言ってくれたじゃん。

「あー、もどかしい」

いやいや、やきもきすんのは違うよね…焦んないって決めたし。

深呼吸をして気持ちを落ち着ける。

一先ず今度のオフの日は、またあの貸しスタジオに行こう。

それで…時間伝えて“よかったら遊び来て”ってメールだけ送っておこう。

時間を置いて、Aさんから誘いのメールの返事が来た。

ドキドキしながら内容を展開する俺。

そこには、その日都合つけるということと、それよりも前に送ったメールに気が付けなかった謝罪が綴られていた。

メールチェックを怠っていて見落としていたんだって。

…よかった、会ってくれないとかじゃ無くて。

俺は胸を撫で下ろした。

文面上は嫌いになったとか無視していたわけじゃ無さそうだったから。

そして途端にその日が待ち遠しくなるのは勿論のこと。

…そうだ、折角だし何かプレゼント用意しようかな。

何が良いだろう。

確かこの間Aさん、コーヒーより紅茶が好きって言ってたな…。

調べて銀座にある高級感溢れる紅茶専門店を見つけた。

仕事の合間にマネージャーさんに寄ってもらった俺は、店内に入るや並ぶお茶の種類に圧倒される。

こんなに種類あるんだ…え、どれが良いんだろ。

俺は正直、お茶詳しく無い。

だから店員さんにお願いして、彼女のイメージから良い感じに見繕ってもらって、それから贈り物用に化粧箱に入れてもらった。

プレゼントってなんかワクワクするよね、贈る方も受け取る側も。

喜んでくれるかな…Aさん。

そんなこと思いながら、プレゼントの紙袋を手に店を後にする俺の足取りは軽かった。