“あなたに憧れて” ページ40
≫�盒� side
「…なんか誰かに似とるよな…どっかで会ったこと？は無いか…誰やろ」
ぽそり呟くレン。
それは多分、“ただの社会人さんが誰かに似てる”という話。
俺もそれは感じた。
感じていたけれど、余り明確な誰かというのはピンと来ない。
だってAさんの素顔を見るのはやっぱり今夜が初めてだから。
レンも“見たことあるかも”というなら…仕事関係で会ったことある可能性も考えられるのかな。
俺らが揃って覚えてないだけ？
***
それから数日後、レンの溢した言葉を頭の片隅に仕事へ。
雑誌のインタビューのお仕事。
今度主演することになった映画作品、『あなたに憧れて』の公開前の特集に使われるらしい。
俺より多分ひと回りくらい年上のインタビュアーの男性記者は、有難いことに俺のファンなんだって。
“いつもご活躍拝見しております…！”。
そんな風なこと口にして眩しい笑顔こっちに向けて、中々悪い印象は無い。
そんな男性記者の取材は順調に進んでいった。
「�盒兇気鵑蓮汎瓦譴凌諭匹辰討い蕕辰靴磴い泙垢�？」
インタビューを受けていて、作品タイトルに因んで憧れの人の話になる。
勿論、憧れる人はジャンル限らず沢山いるんだけど…。
「“憧れ”といえば…俺昔、“ニコちゃん”が好きだった」
ふと思い出したかつての“憧れの人”。
「“ニコちゃん”…というと、あの子供向け番組のですよね？」
男性記者は俺に聞き返す。
この人も知ってるんだ…人気だったもんね。
「“うたっておどろう！”めっちゃ観てましたね〜」
それから俺は、今までもあまり表に向けて話したことが無かった“ニコちゃん”の話を口にする。
「“ニコちゃん”が好きで…思えば今、俺がこうして芸能界で活動をするきっかけの一部だったすね、多分」
「ほお、これはファンながら初めて聞いた情報…幼い頃の推しは“ニコちゃん”、と」
男性記者にとってその初耳の情報に、これは記事のネタになるとでも思ったのだろう。
相槌で答えた自分の台詞をメモに書き留めていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 277人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：千草 | 作成日時：2023年10月27日 12時
