推しの推し (ページ20)

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スヌーズは使わずに起きれる派ページ20

≫A side

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逃げた先の公園で、髙橋さんであることに気が付いてしまいました。

思わぬ出会いとはいえ、トラブルに巻き込んでしまった事のお詫びと、助けてくださった事に対する感謝。

それらと併せて髙橋さんへの案ずる気持ちを口にした時、ついお名前をお呼びしてしまいました。

あの夜はプライベートであったことも承知してました。

しかし親しくお話ししてくださったので、私の気が緩んでいたようです。

“髙橋さん”とお名前を突然お呼びした事、どうかご無礼ご容赦ください。

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風呂上がりそのままソファの上で膝抱えて考えた文面。

送信する前に何度も、何度も何度も誤字や表現のチェックをして漸く送った。

「…え、うそ」

信じられない…もう、23時過ぎ？

帰って長湯はしたけれど、折角用意した夕食も口にせずまさかそんなにも時間が経っていたとは。

時間帯的にももうしっかりガッツリとは食べられない。

私は少しだけ取り分けて、それをつまみと言うか夕食にする。

それから始めの宣言通りに録画を再生して、大好きな推しに顔を綻ばせながら缶チューハイを開けたのだった。

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いつもより遅い時間に鳴るスマートフォンのアラーム。

ーーー9:00。

画面上の“停止”の文字をタップして、眠たい目を擦る。

まだ寝たい気がするけれど、10時から貸しスタジオの利用予約をしている。

ぐーっと伸びを布団の中でして、それからゆるりと起き上がった。

身支度をして、朝ご飯は本当に軽くで済ませた。

念の為撮影用の必要物品と、それから着替え。

スタジオを出たら作業出来るように、ノート型パソコンやらバッテリーやらを持ったらもう手荷物が一杯。

まあ、仕方ない。

「いってきまーす」

“ただいま”然り、誰も居ない部屋に一声掛けて、お気に入りのスニーカーを履いて自宅を出た。