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編「増田さん、タイが曲がってますよ。」
増「エッ?!あれっ?!」
一時間後。
先に用意が終わった増田は、ソファに腰かけてAを待っていた。
ドレスコード自体はもちろん経験済みなものの、慣れないのも事実。
少し堅苦しい首がなんだかむず痒い。
それにしても、Aの仕上がりはどんなものなのだろうか。
彼女は、可愛いと言うよりかは俗に言う美人という枠に入る類の顔だ。
余計なものがないスっとした顔は、いつ見ても綺麗である。
そんなAのドレスコード。
美しくなることはわかりきっている。
どんな褒め言葉をかけよう…と手を組みながら肘をついて考える。
すると、「増田くん、待たせちゃってすみません。」と声が聞こえた。
増「おっ、わ………。」
「どうです?中々似合ってると思うんですけど。」
増「うん…すげぇ綺麗だよ……やべ、考えてた言葉全部飛んじゃった……笑」
「………は…。」
増「は?」
「よっ、よくシラフでそんな小っ恥ずかしいこと言えますね……。」
増「…あれ、照れてるの?」
「はっ?!違っ、なわけないでしょ?!」
増「敬語敬語。」
「っだって…そんな素直に褒められたら誰でも照れるし……。」
カァァッ…と顔を赤くして手で頬を挟む。
素直に照れてしまう。
でも現に、Aのドレス姿は、息を飲むほど綺麗だった。
ピタッとしたデザインのもので、スリッドが入っていて歩く度に生脚が見え隠れする。
濃い青を何層にも重ねたような深い藍色。
そこに施された赤い造花のデコレーション。
クラッチバックを持っている腕の曲がり具合すら、色気を狙っているのではないかと思えてしまう。
髪も短いなりに綺麗にまとめられていて、花の色と同じ赤い唇がAの白い肌に際立つ。
宣言してもいい。
この会場で一番美しいのは、彼女。
増「Aちゃん、」
「……なんですか…。」
増「俺から離れないでね。絶対に。」
「…言われなくても離れませんよ。」
彼女がどこかに行ってしまいそうなほど儚い、なんて。
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み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - くるみさん» あれま!私としては字の間違いはまぁ恥ずかしいので今回みたいな”引く””敷く”の大きい間違いだったらむしろありがたいです笑 こちらこそ、これからも読んであげてくれると嬉しいです! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» いえいえ。前に違う作品で訂正コメした時にめちゃくちゃ怒られたんで迷ったんですけど受け入れて頂けてよかったです。これからも頑張ってください。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 15b12e1c33 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - くるみさん» 訂正ありがとうございます!直しますね〜!!;; (2019年12月21日 14時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 布団は“敷く”ですね (2019年12月20日 15時) (レス) id: 15b12e1c33 (このIDを非表示/違反報告)
みかんですねん(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» ボードのことはすみませんでしたこれからも頑張ってください (2019年11月24日 3時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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