【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ９【愛され】

▽ディズニーの話。 ページ8

｢もしもし？｣

[…あ、A？]



彼、梅原裕一郎から電話がかかってきたのは、21時過ぎの事だった。

電話なんて滅多にしないような人間なのは重々承知だったから、まぁ驚いた。

間違い電話だと疑った程だ。


何事だろうか。
ピッと出るボタンを押して、スマホを耳に当てる。



｢どうしたのこんな時間に。｣

[あぁちょっと…。]

｢…？あ、今一人だから気にしないでいいよ。｣

[あー…うん、あのさ、]

｢…何さ焦れったい。｣

[ディズニー、行こうよ。二人で。]

｢…………ッッエ、えっ？！ちょ、待って…何？酒飲んでる…？いっつもテーマパークとかすごい嫌がるじゃん…。｣

[まぁ、…気分。で、行ってくれる？]

｢行く行く、絶対行く。ね折角なら服も揃えようよ！｣

[っえぇ…面倒くさそ……。]

｢いーじゃん梅ちゃんなんて滅多にないんだからさぁ！｣



実を言うと、梅原はちょっと焦っていた。


そこまで先輩がAに手を出したり入れ込んだりはしないだろう。

したとしても、自分は特別枠。

…なんて呑気に思っていたのが大間違いだった。


ちょっと自分が接触しない間に、まさかあんな関係が進んでいたなんて。

聞いた話では、浅沼が今1番Aを落とし込んでいるだとか、鈴木と喧嘩して二人の仲が深まっただとか。

そりゃあ焦る。

そんなAに垂らしたのが、一緒にディズニーというデートのお約束。

基本インドアだが、こうなれば外に出ることもやむを得ない。


それに、自分と出かけると言ってこんなに喜んでくれる女性と行って楽しくないわけがない。









｢っそうだ！制服で行こう！！｣


[本気で言ってる…？俺来年で29なんだけど…。]


｢学生の時から大して顔変わってないくせによく言うわい。｣








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