【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ７【愛され】

▽江口の話。(ねねさん ﾘｸ) ページ2

・

｢ねぇえぐっち先輩？｣

江｢んぇ。｣

｢すごい懐かしいこと言いますね。……でかっ。｣

江｢……うわー…懐かしいそれ……。｣



あははとはにかみながら、何かを真似しているAを指さす江口。


二人は、珍しくサシで飲みに行っていた。

たまたまスタジオが被って、｢これから暇？｣｢それ今私も言おうと思ってました。｣という流れで居酒屋に来たのである。


江口とは結構仲良しで、愛だの恋だのと言うよりは仲のいい幼馴染の様な関係だ。

…と、Aは思っているが、江口が密かに恋心を抱いているのも事実。

とは言え、この関係も気に入っている江口は特に何か派手に動こうとはしなかった。


変に行動して 気まずくなったら…と思うと、中々踏み出せないのであった。

・

話を戻して、今Aが真似したもの。
それは、昔のA自身である。

忘れもしないあの日。

江口とAが、初めて出会った日のこと。

・

｢よ、よろしくお願いします。｣

ス｢こちらこそ、よろしくお願いします。｣



この日は、Aの何度目かのキャラソン収録の日だった。

でもいつもとは違う。

デュエット、という形のキャラソン。


元々歌うのは得意ではなかったから、人と歌う…それもあの江口拓也も歌うなんて思ってもいなくて、その時のAは 完全に上がり切っていた。


だが、たまたま江口の前の仕事…イベントが押してしまっていたらしい。

｢江口拓也さんイベント押してて遅れるそうです。｣というスタッフの言葉に、どれだけ救われただろうか。









ス｢それじゃ青空さん、掛け合いのところ一人だけど大丈夫ですか？｣


｢はい大丈夫です。…あと、ハモリのところも。｣


ス｢了解しました。取り敢えずとってみましょっか。｣




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