【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ６【愛され】

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翌日。
目が覚めたのは、10:30を過ぎた頃だった。

久しぶりにこんな長い時間寝た気がする。
ぐっ…と体を起こして、一伸び。

確か今日はお医者さんと喋るメンタルケアがお昼すぎに入っていたはずだ。

それまでは一人で静かに過ごさなきゃならない。


静かな部屋。

ちゅんちゅん…と鳴いている鳥は、自由に空を飛び回っている。



自然と口からは、｢……いいなぁ…｣と声が出ていた。

…

…声が出ていた？


ガッ…と勢いよく自分の喉を掴む。

もう一度、普段声を出すように呟いてみた。


｢…っあ、い…うえお……。｣

｢あおぞら…A……。｣

｢あーー……｣


思うように、声が出る。

信じられない。
夢みたいだ。

一日で治ってしまった。


通りかかった看護師さんにそれを伝えようと、｢看護士さん！｣と呼ぼうとする。


だが、その声は｢…っご……さ…！！｣と掠れてしまう。


あれ、

な……っ

んで…。


・

・


｢っは……はぁ…ｯ…はぁ……は……。｣



夢。

嫌な、
苦くて苦しい、夢。


試しに声を出してみると、昨日と同じ。
｢っあ…か……｣という詰まった声しか出ない。


随分と悪い目覚めになってしまった。

夢くらい幸せにしてくれたっていいのに。
意地悪にも程がある。


首元を触るとじんわり汗が滲んでいて、自分が今どれだけ追い詰められているのかがよく分かる。

すると、看護士さんが｢青空さん、大丈夫ですか…？｣と声をかけてくれて、咄嗟に｢はい、大丈夫です。｣と返した。









｢(何が大丈夫なんだろ。)｣




それすら見えなくなってくる。

.

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