【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ６【愛され】

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お見舞いに持ってきてくれたKENNが切ったフルーツを食べながら、談笑する。

忙しい仕事の時間の合間を縫って来てくれたのは分かっているが、やっぱり先輩達に会ったら喋りこんでしまう。

いや、喋りこんでいるという表現はおかしい。

何せ声は出ない。


まぁとにかく、楽しい時間を過ごしていた。


そんな楽しい時間に混ざりに来たのは、鈴木と木村だ。

所謂、"A過保護に守り隊"の二人である。

混ざりに来たのではなく、Aの病状も聞かずに勢いだけで駆けつけてきたのだが。


二人は、突然ガラガラっ…と勢いよくドアを開けて飛び込んできた。

｢Aっ…！！｣｢A！！！｣と大声で名前を呼ばれて、ビクッと肩を震わす。

それと同時に、｢病院ではお静かにｯ！！｣と言う看護師さんの怒声が聞こえて、二人の肩も震える。



鈴｢すみませーん…。｣

浅｢ほらA、来たよ。A過保護隊。｣

江｢浅沼さんもですよね。｣

浅｢うるさい江口。｣

｢…！………！！｣
[仕事は？！！]

木｢ちゃんと合間取って来てる。｣

鈴｢それよりおまっ…あいや、その……。｣

｢…｣
[心因性失声。特別何か悪い病気があるわけじゃないので、安心してください。]

鈴｢！｣

木｢……仕事は？｣

[ちょっとの間、お休みを貰うと思います。ご迷惑おかけしてすみません。]



少しペンを持つ手が遅くなって、目線を落とす。


仕事のことが、Aにとっては何よりの不安だ。

この大好きでやりがいのある仕事を手放したくはない。


暗い話は、心まで暗くさせる。

したくてした訳では無いのに、にへらっ…と下手くそな笑い方になってしまった。

こっちからしたら、それが逆に辛い。









K｢…馬鹿だねぇA……。｣


[知ってますよ。]


鈴｢ほんと…馬鹿だなあ…。｣





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