【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ６【愛され】

▽3 ページ9

小さい子達を連れて、ママ友会議の場所であろうカフェに向かう。

もうこの際、自分の職業が声優だとかそういうのは一切考えない。


時刻は17時半過ぎ。

ここに着いたのは15時で、その前からここに居るのだからかれこれ二時間以上は放置しているのだ。

考えられない。


ｳｨｰﾝ…とカフェの自動ドアをくぐって、集団でいるお母様方の近くに行く。

子供たちは｢ままー！｣｢はやくかえろー？｣と飛びつきに行った。

お母さん達は急に来た自分の子供とA達のことを見て、驚き慌てているらしい。



母｢…っあ、あなた達どちら様ですか？｣

母｢うちの子達に何か用ですか…。｣

｢どうも、私青空Aと申します。｣

｢同じく、鈴木達央です。｣

母｢はぁ…｣

A｢おねーさんとおにーさんがずっとよみきかせしてくれてたんだよっ！｣

D｢かっこよかったなーぎんがてつどう！｣

｢お言葉ですがお母様方、かれこれこの子達を2時間近く見ていたのですが、あまりにも放ったらかしすぎかと。｣

母｢！そ、それは私達の勝手じゃない！｣

母｢そうよ、口出しされる筋合いなんてっ…｣

｢口出しされる筋合い、とか今はそういう言葉が聞きたいんじゃありません。
子供達を2時間以上も放ったらかしにしてどうなのか、と私は聞いたんです。｣



その言葉に、ぐっ…と言葉を飲み込む母親陣。


悪いが、うちのAに口で対抗するなんて無理だ。

何せ彼女は 正論しか言わない。

自分が悪い時は自分が悪いように言う。
相手が悪い時は相手が悪いように言う。

客観的に見る、ということが得意なのである。









｢主婦を忘れてお喋りしていたい、というお気持ちはお察ししますが。

それと子供は全く関係ありません。
それが子供を放置していい理由にはなりません。

もう少しだけ、子供たちのことを考えてあげてください。｣


鈴｢…A、もういいだろ。｣


母｢っ……。｣




.

▽4→←▽2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す