【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ６【愛され】

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そこからドタバタの毎日。

正直、あの平坦で何もしない病院生活がちょっと恋しくなったくらい。


まず先生に診てもらった。

喋っている時のAを見て、｢Aさんにはお喋りがないと生きていけなさそうですね。｣と笑っていたお医者さん。

そして、KENNの方を見て｢大切にしてあげてくださいね。｣と言っていた。

どういう意味でかとは言わなかったが KENNは、自分がAにとってどんな立場になっても、大切にしようと決めた。

それが、
たとえ自分が願っているような関係になれなくても。

それでも、Aを守るつもりだ。


それから、マネージャーに連絡をした。

久しぶりのAの声に、｢っわかりまじだ…すぐ報告してきます…！｣と涙ぐんだ声が聞こえた時は二人でちょっと笑ってしまった。

まだ医者からの判断が下っていないから何とも言えないが、一週間後には復帰出来るはずだ。


未だに声はカクカクしているものの、喋れることがこんなにも楽しいことなんだなと実感出来る。



K｢久しぶりにAちゃんの声聞いた。｣

｢私も自分の声久しぶりにだしました。｣

K｢そうだよね.笑
…これで浅沼さんとかも安心してくれるかなー。｣

｢やっぱり心配かけてましたか。｣

K｢気づいてた？｣

｢まぁちょっとは…。自分が逆の立場だったら不安で仕方ないだろうし。｣

K｢あはは。｣

｢死ぬような病気じゃないから、そんなに心配かけたくなかったんですけど…。｣

K｢でもこの仕事してれば、声が出ないことがイコール死ってのもあながち間違いじゃないと思わない？｣

｢あぁ確かに…。｣



声優は、世間一般的には特殊な仕事だ。

声が出ないだけで、自分たちは死んだも同然。
その世界から消えなきゃならない。


そんな不思議な世界で生きているA。

選んだのは自分だし、後悔はない。
むしろ気に入っている。

だから、

これからも、
この先も。









｢KENNさん、私頑張ります。｣


K｢おっ、いいねその心持ち。俺そう言うAが好き。｣


｢私もそうやって言ってくれるKENNさん大好きです。｣





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