【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ６【愛され】

▽現実の話。 ページ11

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夢なら夢と言ってくれ。

早く終わってくれ。


…そうだ、これは悪い夢なのだ。

早く目覚めなくちゃならない。


先輩達が待っている。

大好きな仕事が、

大好きな人達が。



マ｢……心因性失声…。｣

医｢はい。｣

｢っ……な……ち、っ…！！｣

マ｢青空、無理に声出さないで……。｣

｢……ｯ…！！｣

医｢心因性失声は、精神的ストレスが原因で声が出なくなります。
掠れた声しか出なくなるもので、患者は若い女性がほとんどです。｣

マ｢それはどうすれば治るんですか？｣

医｢ストレスが除去されれば、自然に元通りの声が出るようになります。｣

｢…｣

医｢そのため、治る期間は各々違うんです。｣

マ｢そう、ですか…。｣



事を遡ること、今朝方。

Aは、この世の絶望の縁に立たされたような思いをした。


理由は簡単。



声が出なかった。



出そうとしても、｢っあ……かっ…｣と掠れ声しか出ない。

急いでマネージャーに連絡して。
病院に駆けつけて。

待合室で待っている間もずっと電話をかけっぱなしだったマネージャーに、気が引けた。


医師から診断を受けた結果、心因性失声。

意味が分からない。


何故？

別にストレスなんて感じてないし、
特段何か嫌なことがあった訳でもない。

何がAをそこまで追い詰めた。

それすらもわからない。


つまりそれは、処置の仕様がないというどうしようもない結果につながる。


気づいた時には、

わけもわからず涙がボロボロ零れてきて。









｢っあ………。｣


マ｢青空っ！！！｣





意識はそこで消えた。

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