【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ４【愛され】

▽迷子の話、その二。 ページ7

悪い顔をした先輩達が、｢おりゃおりゃ｣｢けーっけっけ｣と小突いてきながらも、フラフラと進む。


｢もう勘弁して…｣と赤くなった顔を抑えながら歩いていると、スピーカーから愉快な音楽が爆音で流れ始めた。

みんなぱっと顔を上げる。

テンポの速い音楽は、自然と心臓の鼓動を早くする。


キラキラとしたゴンドラが沢山流れてきて、これが夜のパレードなんだということにようやく気づいた。

｢わぁっ…！｣と目を輝かせて感動する。

惹かれるように前に前に行き、パレードに魅了される。



｢綺麗……ねぇっ、皆さ……あれ………？｣

A｢あれ、子持ちのネーさんじゃないっすか。｣

B｢こんちゃっす。｣

｢あ、ナンパくん2人組、久し振り。｣

航｢ナンパくんじゃなくって 航平っすよ。
ネーさんどうしたんスか、あのー…スゲェガラの悪い人たちは？｣

港｢俺は港です。｣

｢いやぁ気づいたら迷子になっちゃったみたいでさ。
あぁ丁度いいや、寂しいから一緒に居てよ。｣

港｢えー！Aさん存外可愛いとこありますねー！｣

｢はいはい、先輩達には後で連絡しとけばいいし…。｣

航｢あ、じゃあ俺 ミラー星空脱出ゲームしたいっす！｣



気づけばAの後ろに人はいなかった。

居たのは、あの大学生二人。


ミラー星空脱出ゲームとは、天井がプラネタリウムのように星空になっていて、鏡の壁から抜け出す迷路ゲーム。

期間限定でこの遊園地に出ているらしい。


大学生である航平くんと湊くんも、ちゃんと節度がある良い子だ。

先輩達とはここを出てからでも合流出来るし、Aも迷路ゲームをやってみたい。


笑いながら、その迷路ゲームの方に三人で歩いていった。









その頃、先輩達がガチで焦ってることも知らずに。



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