サイダーの ページ20
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「ん、…あれ、颯、くん……?」
ドアを開けると、「よきかな」と海月から吹き出しが伸びているよくわからないTシャツに緩めのパーカーといつも履いてる部屋着の短パンのAがいた。
いつも暗がりで見ていたのに。
灯りに照らされるには少し眩しすぎる。
「見るな来るな撮るな」
後ろから感じる視線に振り返りもせずに呪文のように唱えてやや雑にドアを閉める。
男女はお互いのフロアに来てはいけなかったはずだ。
とりあえず手を引いてロビーに向かった。
「…森田くんは?いいの?」
エレベーターの中で一息ついて聞いてくる。
「ごめん、それ、いたずらというか。
俺とAがいつも一緒だからって、からかってきたみたい」
「なるほど…?」
だからやめろって言ったんだ。
この子はなんもわかってくれない。
そんなこと、ずっと前からわかってたはずなのに。
自販機に行く、と言うAをベンチで待つ間少しの自己嫌悪に陥る。
このままでいいと望んだのは自分のはずなのに。
はい、と今飲んだサイダーを渡されて虚しくなる。
なんとも思われてないんだって。
全く気にしてないふりをして一緒に夜を越せど、
俺は間接キスすら気にしてるのに。
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沙月(プロフ) - な、僕の初めて覚えて、好きな百人一首じゃないか...つられて読みにきたらおもしろい...お気に入り登録させていただきました! (2019年9月25日 22時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すぺるさん» わあああ!!!!!できました(;-;)ありがとうございます恩人です本当にありがとうございます(;-;) (2019年8月10日 22時) (レス) id: b994d8a981 (このIDを非表示/違反報告)
すぺる(プロフ) - 続編は、前編の編集ページの最後らへんに挿入部分がありますよ…! (2019年8月10日 21時) (レス) id: bc24737c16 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます;;調べたところそのような事例もあるようなのでご都合主義が過ぎますが、修士を飛ばすという形にさせていただこうと思います。参考になりました!本当にありがとうございます! (2019年7月27日 8時) (レス) id: b994d8a981 (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - はじめまして。大学院の制度ですが私の高校の時の恩師が大学卒業後修士をすっ飛ばして博士に通ってました。学校によるのかもしれませんがそういう制度があるにはあるみたいです。ただし審査がとても厳しいみたいですが… (2019年7月27日 0時) (レス) id: 84c575c695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら | 作成日時:2019年7月20日 8時