瀬を早み

幼馴染の定義とは ページ16

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高校生クイズ。チームを組もうとAを誘ったものの、あっさりと断られてしまった。

それから優勝できたはいいものの、Aは喜んでくれるどころか見てすらいなかったようで。


クイズに飽きたの、とか、

そんなに俺に興味ない？とか。


聞きたいことだらけなのに、「クイズしよ」と言われたらその通りにするしかなかった。



「そういえば、優勝したんだね。おめでとう」



そう言ったAは本当に放送は見ていないようで、言葉とは裏腹に不安そうな瞳を向けてくるから泣きたくなった。


恋人同士になった世の幼馴染たちは、付き合う前どうしていたんだろう。
相手のことがわかるのにわからないなんて、そのまま傷口を抉られているみたいだ。


僕らの出会いは中学のわけだし幼馴染とは言えないかもしれないが、お互いのことを知りすぎた。


わかるから、わかんないんだよ。

どうしようもない気持ちだけが心を満たしていく。
満たされないのに、いっぱいいっぱいだ。


今までよりも近づいた、肩がぴったり触れるくらいに寄り添って座るAとの距離をはかりかねる。


どちらともなく近づいたこの距離は、互いに不安だからこうなっているんだろうか。



思春期という一言でこの気持ちを片付けられるもんならとっとと取っ払ってほしい。








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