あの日の約束 ページ8
仕事をしていたらもう朝方になっていた｡
眠すぎて身体が悲鳴を上げている｡
今日はもう､家に帰って休もう｡
近道する為に裏路地に入ったところ､何者かの手に口を塞がれる｡
ヴィラン…！？いつもならこんなヘマしないのに！
私に恨みでもあるヴィランなのかと首を少しでも捻り相手の顔を伺った｡
普通の部分もあるが､焼け爛れたようなツギハギの皮膚を持った燈矢くんと同じ綺麗な青い瞳の男だった｡
焼け爛れたような皮膚の部分は､よく燈矢くんが火傷をしていた部分と似た箇所に似ている｡
縋りたかったんだろう､燈矢くんが死んでないって｡本当は生きてるんだって｡
眼の前の男に…あるはずもない幻想だ｡けど､似ていた彼に燈矢くんを重ねた｡
(とうや､くん…)
口を塞がれているから､くぐもった声で呟くように燈矢くんの名前を呼んだ｡
燈矢くんの死んだ報せを受けてからずっと泣いていなかったのに､ぼろぼろと涙が溢れてくる｡
私の口を塞いでいた男は､驚いたように目を丸くした｡
そうして､やれやれと言うような表情をすれば私から手を離す｡
「小さい頃の約束､守ってくれてたんだなァ｡俺をずっと見ててくれるって｡」
少し優しげな表情をした男は､私を優しく抱きしめてくれた｡
小さい頃の約束ーーー
『李羅ちゃん…李羅ちゃんは俺を見ててくれるよね…？俺から離れていかないよね？』
今でも覚えている､あの約束｡
あの約束を覚えてるってことは､私の幻想じゃない｡彼は本当に…燈矢くんなんだ｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リナ(プロフ) - 素で間違えてました！コメントありがとうございます､修正しておきます｡ (11月29日 23時) (
レス) id: 9b1dc25640 (このIDを非表示/違反報告)
ねかあ(プロフ) - エンデバー（？）エンデヴァー（ｲｴｽ） (11月29日 23時) (レス) @page2 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - コメント､応援ありがとうございます､メリバ大好きなので身内のみ救われます｡ヒーロー嫌いではないのですが推しがいるわけではないので躊躇なくやらせていただきます｡連合に幸あれ… (11月23日 23時) (レス) id: 9b1dc25640 (このIDを非表示/違反報告)
鼓草(プロフ) - ヒーロー側に一切の救いが無いんですかね？最高ですね？敵連合WIN ENDですね？最高すぎます…更新の度楽しく読まさせていただいてます！これからも応援しています (11月22日 14時) (レス) id: a5f127d657 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ餅(プロフ) - いえいえ！次も楽しみに待っております！ (11月21日 18時) (レス) id: a37ec9ee81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ri | 作成日時：2023年11月16日 21時
