檻の屋敷で永遠の時を過ごす私は。 ページ35
「そうだよねぇ、おかげで普通の人間のように永遠の時間暮らしていけてるもんね。」
あの死闘を勝ち取った私達は、あまり人間と変わらないような生活に加え永遠の命を手に入れた。
なんて素晴らしい事だろう。神の血で鬼になれて鬼がもう殆んど死滅した中生きることを許されているなんて。
「…俺は黒死牟さんに殺されたくない一心で鬼になったが、鬼になれてよかったと思ってる。俺はきっと、お前に出会う為にあそこで死ななかったんだ。」
「…鬼になれなきゃ、確かに会えなかったもんね。私も、獪岳に会えてよかった。今でも沢山尽くしてくれて、私は幸せ者だよ。」
私の言葉を聞いて、今にも泣き出しそうな顔をする獪岳を優しく抱き締めれば、獪岳もきつく抱き締め返してくれた。
「李羅は、俺の事を全て受け入れて認めてくれた…心地よくて満たされていたんだ。お前に出会うまでずっと満たされなかったのに。ずっと一緒にいてくれ…、俺だけを見ててくれ…」
この家で俺の帰りを待ってくれたらいい。外のことは俺が全部するから、お願いだ。とすがるように小さく呟いた。
獪岳、そんな風に思ってくれてたんだ。
私のことをこんなに思ってくれて、大事にしてくれる獪岳の事受け入れない筈がない。
「大丈夫だよ、私も獪岳の事好きだからずっとここでいる。この屋敷で獪岳の帰りを事待ってるよ。」
命が続くまで永遠に。
檻のように閉ざされたこの屋敷で獪岳の帰りを明日も、明後日も。
何気ない幸せな時間は永遠に続いても苦痛じゃないからーーー
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作者名:リナ | 作成日時:2020年12月14日 2時