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いつもの自分に戻った私は。 ページ28

液体じゃむりかぁ。
阻まれた血を再び硬質化させ、鞭のように振るう。そのまま防戦する風柱の刀に当たった鞭を絡みつかせ武器を使えなくする。しまった、と言うように目を見開いた風柱に向かい獪岳が一気に距離を詰めた。

「オラァ!」

獪岳が風柱の背後から漆ノ型 天満大自在天神の神速技を放ち、風柱の胴体を真っ二つに切り裂いた。弟君とお揃いだね!

「獪岳おつかれ。この人稀血っぽいしはんぶんこして食べよ!」

「いやもう食ってるじゃねえか。」

獪岳は刀をしまいながら呆れたように私の顔をじとりと見ると真っ二つにされた私が手を付けたもう片方の体にかぶりつく。

美味しい肉を食べたからか一気に…気が、とおく…

抗えず、瞼が下りる。
 
「あ、おい!」

私の様子に気づいた獪岳の声が聞こえたと同時に、私の意識は途切れた。



ーーーーーー



おい、意識飛ばしてんじゃねーぞ。
そんな声が聞こえながらぺしぺしと頬を叩かれていた。

「…かい、がく…?」

朦朧とする意識のなか、見慣れた獪岳の顔がぼんやりと見えてくる。

「戦闘中だぞ。意識飛ばしてる暇ねぇだろうが、バカ女。」

獪岳の手が近づいてきたと思ったらデコピンされた、…痛い。

「酷いよ獪岳…」

おでこをさすりながら、差し出された獪岳の手を借りて立ち上がる。

「ノビてるお前を起こしてやったんだ、感謝されるべきだと思うぞ?…また血流して無意識に戦ってた。」

辺りを見ると景色が変わっている。
玄弥君以外の他の誰かと戦闘したんだろうか。
獪岳は察したように、風柱を俺とお前で倒したと言った。
…本当に意識をとばした時の私は好戦的なようだ。

そして、いつの間にかふと現れた師匠が獪岳の後ろに。
気配に気づいて獪岳は後ろを振り返り目を丸くした。

「…李羅…獪岳…こちらも終わった…」

「師匠、無事でよかったです!」

「此方も手負いの霞柱と風柱は殺して食いました。」

先ほどの4人は…始末が済んだな。残るは柱は蛇、恋、水か。と言いながら頷く。…一瞬師匠が硬直した。

「…あのお方が復活なされた…」

師匠、神様から信頼おかれてるのもあって滅茶苦茶情報が早い。神様、薬分解できたのかな?

「…2人とも…行くぞ。あのお方が…お呼びだ…」

鳴女さんに情報が伝わったのか、べべんと琵琶の音が響き、今までいた場所から異動した。

師匠と弟分と神様と私と。→←風柱と戦う弟分と私は。



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作者名:リナ | 作成日時:2020年12月14日 2時

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