生にしがみついて鬼となった二人は。【獪岳】 (ページ3)

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六つ目鬼を追いかけた私は。ページ3

それから私は六つ目鬼を追いかけ続けた。
食事に関してはあまり困ることはなかった。神様の血があまりにも薄すぎるせいなのか、人を食わなければいけないような事もなく人間数人から血を分けてもらう代わりに金や食べ物を渡して人を殺すような事はしなかった。
戦闘技術を盗もうと観察してみたり、死なない為にも弟子にしてください！と頼み込んでみたりとにかくしつこく付きまとい続けたらついに六つ目鬼が根負けして弟子にしてくれると言う。
多分私から本気で逃げようと思えばいつでも撒けた筈だろうとは思っていた。
顔がかなり怖いけど案外優しい。

六つ目鬼の名前は黒死牟さんというらしい。これからは師匠って呼ぶことにした。

師匠はスパルタだった。
血鬼術を使えるように指導してくれたのはいいが、格上の鬼殺隊との戦闘なんて師匠がいても1人でどうにかしろ、とザラにぶつけられた。 …お陰で確かに強くはなったけど。
しかし、稀に私は戦闘中に意識が飛ぶ。いつも自分が追い込まれ傷のまみれになり出血すると、その後は決まって戦闘していた相手は絶命していた。

｢師匠、私意識飛ばした後どうなってます？｣

｢嬉々として闘う…鬼らしい鬼になっている…｣

どうやら私は意識をとばした後には人格自体変わっているらしい。
私は昔から痛いのが嫌いだし、戦闘への拒絶反応だろうか。
師匠の話を聞いていると、無意識のうちながら発動する私の血鬼術の一種らしい。
…まあ勝ててるならきにしなくていいか、一応意識飛ばしてなくても身は守れるし。