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私たちは、訓練などさせてもらえず
100時間の雑役を全うした。


 
私は長らく訓練をしていない為に、
グラウンドで走っているクラスメイトが羨ましく思えた。


 


 


 

次郎「快くーん、罰則あとどれぐらい残ってる?」


 
快「..96時間と24分。」


 
『...、さっきから2分しか経ってないよ?』


 
 


 

本間くんが呆れたように溜め息をついたかと思うと、
どこかに視線を向けスッと立ち上がる。


 
その視線をたどると、
そこには見覚えのある少女の姿があって。



 


 


快「...、アミさん。」


 
次郎「おおー!」



 


 
そう言って、彼女に手を振る次郎ちゃん。


 
私は彼女に何も出来なかった。

 
その罪悪感からか、
彼女に声をかけることが出来なかった。


 


 


 

 

アミさんはやっと安堵できたのか、
私たちの顔を見るなり涙を流していた。


 
そんな彼女に近付く2人。


 
なのに、私は動けぬまま。


 


 


アミ「...、ありがとうございます。」



 


 
そう言って、次郎ちゃんに抱きつく彼女。


 
その姿を見て少し微笑む快くん。


 
私はどんな表情で彼女を見てるんだろう。


 


 

快「..、風は目に染みるな。」


 
アミ「...、ありがとうございます。」


 

そう言って、次は快くんにお礼を言い抱きつく彼女。


 
快くんは、初めてのハグなのか一向に彼女を離さない。

 
 


 
私はお礼を言われる立場じゃない。

 
そう思い、私は後ろを向き雑役に戻った。

 
その時だった。


 


 

アミ「..、Aちゃんありがとう。」


 
『...っ、』


 

後ろから彼女が抱きついてきた。


 
私はそんなことされる権利なんてないのに。


 


 

アミ「...、貴女が居てくれて本当に心強かった。」


 
『...、私は何もしてない。私が守るなんて大口叩いて、結局何も出来なかった。』


 
アミ「そんなことない。..、Aちゃんは最後まで私の手を握っててくれた。最後まで希望を持ってくれた。..、だから安心できた。」


 
『...、』


 
アミ「私たちを助けてくれて、本当にありがとう。」


 


 

 

 
彼女はより一層私を強く抱き締めた。

 
ありがとうはこっちの台詞、だっての。


 
言葉で伝えるのは少し恥ずかしかった為、
私は彼女と向き合い自分から抱き締めてみた。


 

 

そんな様子を彼らが微笑みながら見てたなんて、
知らなかったけど。

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とまとミニ(プロフ) - あぽんさん» コメントありがとうございます!亀更新で本当に申し訳ないです…今日更新したのでよければ見てください! (2020年8月13日 11時) (レス) id: 0857c8b69c (このIDを非表示/違反報告)
あぽん - とても面白いです!更新待ってます! (2020年7月18日 21時) (レス) id: 34390084ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とまとミニ | 作成日時:2020年7月15日 18時

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