一度、出逢ってしまったら[完] (ページ41)

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行為中、ずっと手を握ってくれて沢山、好きって言ってくれて名前もいっぱい呼んでくれて。

身も心も満たされるってこういう事なんだなって思った。

『…じゅり、ん…』

「…んは。はいはい」

終わってからも抱っこをねだると、疲れちゃったな。ごめんな。って優しくぎゅっとしてくれて。

…あー。幸せだなって余韻に浸った。

「…A」

『、ん？』

「もうお前は俺んのだから。離れんの禁止な」

『…ふふふ。うん。樹もだよ？』

「当たり前。嫌だって言っても離れてやんねーよ」

──こうして付き合う事になった私達。

北斗には樹がすぐ報告したらしく、

「傷付けたら奪うからな」

「絶対ないから安心しろよ」

ってテンプレのような会話をしたとか何とか。笑

北斗からも"泣かされたらいつでも言ってね"ってメッセージを貰えてホッとして。

メンバーにも紹介されて、何もそれまでの経緯を知らなかった彼らはめちゃめちゃ驚いていた。

でも"幸せならそれで良いと思うよ"
"樹の事、宜しくね"って認めて貰えて心底安心した。

樹との付き合いはそれなりにケンカもするし、アイドルと一般人で私生活もまるで違うから会えない日も多かった。

それでも不安が一切なかったのは樹の愛情が凄まじかったからで。笑

最初こそ戸惑ったけど純粋に嬉しかったからすんなり受け入れられて私も伝えられる時はたくさん伝えていけるようになった。

そんな日々が半年程、続いたある日。

会えそうな時は樹が私んちへフラッとやって来て一晩過ごしてく。

それが一番多いパターンで、その日もそんな感じで私んちに来てた樹。

「…ね～まだぁ？」

『んー、もうちょっと～』

「待ちくたびれた～」

その日は仕事が期日までに間に合いそうもなくて仕方なく持ち帰ってやってて。

そんな日にやって来ては急かすからあしらいながらも何とかキリが良いとこまで仕上げた。

『…よし！出来た』

「終わった！？」

『ん、とりあえずね』

そしたら、ぎゅうっと抱き着いてくるから抱き締め返して頭を撫でてると、ふと視線が合わさった。