・噛み跡 ページ32
タコパ中、ごちゃごちゃして誰がどのコップかわからなくなって何となくで口をつけた。
「…まっず、」
どうやら大外れを引いた。
普通匂いでわからんか、俺。
段々と頭がぼーっとしていく。
隣でたこ焼き食うAが妙に可愛い、いやいつも可愛いな。正常正常。
『顔赤くない?』
「…なんか変な味した、」
俺の持っていたコップを取り上げて鼻を近付けるA。
「日本酒だね」と言われた。
「お酒飲んだのかい?」
『そうみたい、みんなに迷惑かける前に部屋に連れて行こうかな。』
立ち上がるAを引っ張って胡座の中に収めた。
ぼーっとしてるけど意識はしっかりしてんだよ。俺はまだ帰らねーぞ。
「A」
『たこ焼き食べる?』
あーん、と口に運ばれてくるたこ焼き。
Aが食わしてくれたからさっきより美味しい。
あー……Aいい匂いすんなぁ、まじで。
そんな匂い撒き散らして俺以外が寄ってくること考えたらもうなんも耐えらんねぇや。
**
気が付いた時は自室のベッドに寝転んでいた。
昨日あの後……なにも思い出せない。
とりあえず支度をして教室へ向かった。
「…はよ、」
「おはよう酔っ払い。」
「やべーなんも覚えてねぇんだよ。Aは?先に教室行くってメール来てたけど、」
「トイレ。」
しばらくしてAが教室へ帰ってきた。
「A!アザだらけじゃねーか!」
『…飼ってた大型犬に噛まれた。』
俺の後ろで硝子と傑が笑う声が聞こえる。
Aの腕やスカートから見える足に確かに噛まれたようなアザがあった。
「…大型犬ってまさか、」
「あはは、耐えらんない…ぶっ、五条お前ご主人噛んだらダメだろ…」
『痛かったからね。』
硝子の携帯がポイっと飛んできて、動画が再生される。
そこにはAに跨って噛み付く俺が映っていた。
うわー……最悪。めちゃくちゃ乱暴じゃん俺。
動画はそこで終わっていた。
その後はAに跨ったまま寝てしまって、傑が部屋まで運んでくれたらしい。
『本当に噛み千切られるかと思った。』
「まじでごめん。」
手首の皮膚が薄いところに貼られた絆創膏に滲む血。
「噛んだのは覚えてないけどAが可愛かったことはわかる。」
『いいよ別に。一種の愛として受け止める。』
「は〜〜〜まじで好き。」
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ほわ - こういうのが見たかったんですよ! (2022年4月6日 8時) (レス) @page11 id: cda43d2229 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - とっても幸せな世界観でした♡♡ (2022年2月15日 11時) (レス) @page34 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - riyaさん» ありがとうございます(^O^)もっとキュンキュンしてもらえるように頑張って書き進めていきたいと思います! (2021年9月28日 20時) (レス) id: 1b6f6e5afa (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - キュンキュンします。ごじょるの好感度MAXです。 (2021年9月27日 13時) (レス) @page30 id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - GUMIさん» ありがとうございます! (2021年9月22日 13時) (レス) id: 059a3ecc89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年9月5日 9時