52 おふろ ページ9
夜方、カラ松兄さんはノックをして部屋に入ってくると私に
「A、風呂入るだろ？」と声を掛けてきた。
流石に冷房なしで汗だくだから、お風呂には入っておきたいと思った私はうんと頷いて、今これからお風呂に入る所だ。
「ちょっと待っててくれ」とカラ松兄さんが言うので部屋で一人待っていたら、
私用に買っていたのか、戻ってくるなり私がいつも着るような色気のないTシャツと、紺色で膝丈の丁度いいスカート等着替えを持ってきてくれた。
その中にはもちろん下着もちゃんと入っていて、何故か下着だけはド派手な青色のものだった。
まぁ、薄々意味は分かる。
カラ松兄さんは次にバスタオルを持ってきてくれて、その時「風呂上がったらもう一度足枷を填めてもらうからな。念の為」
と私に呼び掛けた。
……残念だ。
けどこのまま足枷を外されていたら、私は何かしら隙を付いて確実に逃げ回っていただろう。
そんなのはやっぱりカラ松兄さんにお見通しだったみたいだ。
私は静かにため息を吐くと、1つ冷静に呟いた。
「分かった。じゃあ、せめて扇風機を部屋に置いて………」
こればかりは、我慢が出来ない。
私が深刻にそういうと、カラ松兄さんは「そうだな、その内買おうか」と頷いてくれた。
そして「買うなら通販だな……ふむ」なんて小さく呟いて独り言をしていた。
はぁ、これで熱中症やらの夏の病気から免れたかもしれない。
扇風機があれば幾分かマシだろう。
それでも、暑がりの私には暑いと感じるかもしれないが。
「ほら、風呂入るんだろ？」
カラ松兄さんが安堵する私の顔を覗き込んでそう言う。
私は首から流れる重たい鎖を引き摺って立ち上がると、カラ松兄さんに着いて行った。
カラ松兄さんの手によって扉がゆっくり開いて、短い廊下を歩くとすぐ脱衣所に着いた。
一応部屋をちらりと見たけど、思った通り普通のアパートだった。
廊下の1番先の部屋がリビングで、その手前にあるのが私の部屋とトイレ、お風呂、と部屋が並んでいる。
1本の廊下から、部屋に接続できるようになっているごく一般的な間取りだ。
田舎とは言えど、家賃はそこそこだと思う。5万？6万？そんな所かなぁ……
短い間に、私はそんな考察をしていた。
一体、毎月家賃を払えるような安定した仕事、いつから始めていたんだろう。
お金の出処が1番の謎だ。
まさか、危ない仕事……なんてのも思ったけど、カラ松兄さんに限ってそんなことは無いとすぐなかったことにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽさ(プロフ) - チョロ松推しさん» Sなカラ松最高ですよね！！ありがとうございます！時間をかけてでも頑張って完結させようと思うので、その時までよろしくお願いします。！ (2019年8月6日 13時) (
レス) id: 3dce913a48 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ松推し - Sなカラ松最高すぎ!もう死んでもいいわ(白目)続き頑張ってくださいね！ (2019年8月3日 19時) (レス) id: b11d3bd2ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽさ(プロフ) - 夜空さん» ありがとうございます^^*完結できるよう頑張りますね！ (2019年7月24日 16時) (レス) id: 3dce913a48 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 頑張ってください続き楽しみに待ってます (2019年7月22日 22時) (レス) id: 2ba1387257 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松girl(プロフ) - ぽささん» 楽しみにしてます！！ (2019年6月10日 6時) (レス) id: b9685a6c85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽさ | 作成日時：2019年5月27日 16時
