64 松野家 ページ22
【一松視点】
今日は俺は家に居た。
いつもは路地裏の猫の様子を見に行ったり、Aを探して街を歩いたりしてるけど、今日はそんな気分にもならない。
最低な兄だってAに罵られても文句は言えないね。
むしろ今はまたあの声で、そう茶化して欲しい。
もうあいつらが居なくなって一ヶ月は過ぎただろう。
おそ松兄さんとチョロ松兄さんは、それこそ調子を変えずにケロッとしているが、絶対心の隅でAの事を考えて憂鬱になってるはずだ。
いくら兄と言っても、それ以前に人間だから、きっと二人とも強がってるんだ。
何より弟三人の僕らを気にして、弱いところは見せないようにしてくれてる。
でも、それが少し有難かった。兄が泣いてしまえば僕らだって、気力が無くなってしまいそうだから。
兄達のそういう所は本当に信頼出来る。
僕もいつもの様に卑屈なやつのままでいるけど、やっぱりAが居なくなってから心が寂しがっているのを自覚してる。
他の兄弟も、皆そうだ。トド松と十四松は感情を表に出す方で、たまに泣いたりしてるけど、それを慰めるのも兄の僕の役目。
ちょっと荷が重いけど、それよりも弟の涙の方が僕は嫌いだから、そこら辺はいくらでも頑張ろうと思える。
カタ、と小さな物音がして窓の方に目をやると、いつもの黒ぶち模様の猫が遊びに来ていた。
「……久しぶりだね、なんか食べに来たの？」
まるで人間に話しかけるみたいに猫に寄り添って、俺は神棚の裏に隠してある煮干を手に取った。
何か食べに、と言ったのは建前でいつも煮干ししか用意していない。
これでも十分喜んでくれるし、わざわざ猫缶を買いに行くより楽だからなんだかんだ煮干しを買ってしまう。
煮干で思い出したが、いつの日かおそ松兄さんに隠れて煮干を食われていたことを知った時は腸が煮えくり返りそうになったよなぁ。
もう、結構前の話だけど。
兄の間抜けさに少し可笑しくなって顔がにやける。
下から僕を見上げる友達に「どうしたの？」と言うような瞳で見つめられた俺は
「よし、ほら食べて」と煮干を袋から取り出して猫の前に並べてやった。
「にゃあ〜」
すると嬉しそうに声を上げた猫が、煮干を小さな口にくわえてパリパリと咀嚼する。
「うまいか？」
「にゃ、にゃ！」
「可愛いなーお前」
優しく話しかけると煮干を口に挟んで小さく返事をする猫に笑みがこぼれる。
この時間だけは微笑ましい気持ちになるけど、妹のことを考えると顔が曇ってしまう。
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ぽさ(プロフ) - チョロ松推しさん» Sなカラ松最高ですよね！！ありがとうございます！時間をかけてでも頑張って完結させようと思うので、その時までよろしくお願いします。！ (2019年8月6日 13時) (
レス) id: 3dce913a48 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ松推し - Sなカラ松最高すぎ!もう死んでもいいわ(白目)続き頑張ってくださいね！ (2019年8月3日 19時) (レス) id: b11d3bd2ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽさ(プロフ) - 夜空さん» ありがとうございます^^*完結できるよう頑張りますね！ (2019年7月24日 16時) (レス) id: 3dce913a48 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 頑張ってください続き楽しみに待ってます (2019年7月22日 22時) (レス) id: 2ba1387257 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松girl(プロフ) - ぽささん» 楽しみにしてます！！ (2019年6月10日 6時) (レス) id: b9685a6c85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽさ | 作成日時：2019年5月27日 16時
